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定所
「定所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
定所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
「しかし極《きま》りがつかないから……」
「それじゃ君やってくれたまえ。僕は勘
定所じゃない。一代の才人ウェルテル君がヴァイオリンを習い出した逸話を聞かなくっち....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
、大廊下、中廊下を曲りながら導かれていったところは、老中御用都屋につづいた中御評
定所です。 主水之介の席は、はるかに下がって左り。 右は、腰本治右衛門が控え....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
場合である。村方の財政や山林田地のことなぞに干渉されないで済む通行である。福島勘
定所の奉行を迎えるとか、木曾山一帯を支配する尾張藩の材木方を迎えるとかいう日にな....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
御殿の方に移り住むと聞くころだ。西丸だけは復興の工事中であるが、それすら幕府御勘
定所のやり繰りで、諸国の町人百姓から上納した百両二百両のまとまった金はもとより、....
「惜別」より 著者:太宰治
教会など開化の設備のおびただしいのに一驚し、それからもう一つ、仙台は江戸時代の評
定所、また御維新後の上等裁判所、のちの控訴院と、裁判の都としての伝統があるせいか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
十五日ニ、ケンシガ来テ、二十九日ニハ忠蔵ノ妻ト、兄ガ妻ト、忠蔵ノ惣領ノ※太郎ヲ評
定所ヘ呼出シニナッテ、オレト黒部篤三郎ト云ウ兄ガ三男ガ同道人ニナッテイタガ、ソレ....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
った。当時、十六歳である。 「失業者が、毎日の食べるものも食べられないで、職業安
定所の前にうろついているのをみたことがあるかね、ふん」 これが私に与えられた店....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
、時のお月番右京殿より、「浪島文治郎|事業平文治儀は尚お篤と取調ぶる仔細あり、評
定所に於て再吟味|仰付くる」という御沙汰になりました。この評
定所と申しますのは、....
「光は影を」より 著者:岸田国士
刻だ、と彼はやつと時代の真相にふれた思いで、いくぶん、あわて気味であつた。職業安
定所にも通つた。肉体労働以外の口は、おおかた怪しげな、人を小馬鹿にしたような仕事....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
がっていた。
「誰の指図で、何ゆえに召捕るのか? 拙者に、罪があれば、何ゆえ、評
定所より――」
「黙れっ、黙れっ」
「何?――訳を明かさずして、盗賊と同じように....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
郎の膝に手をかけて、 「ほんのちょっとしたことなの。……江戸、竜《たつ》ノ口の評
定所《ひょうじょうしょ》というところの腰掛場に、目安箱という箱がさがっていますか....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
う、将軍吉宗の命に出るものだが、忠相の建策だ。この前年、享保六年八月一日から、評
定所《ひょうじょうしょ》に目安箱を置くことになった。申告受付け箱だ。これを民間に....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
れて、正月九日江戸着、目下は松山藩松平|隠岐守《おきのかみ》の屋敷に預けられて評
定所の糺問《きゅうもん》を受けているのだった。この詩は、豪放|磊落《らいらく》な....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
東海長鯨を掣す 船虫 閉花羞月好手姿 巧計人を賺いて人知らず 張婦李妻
定所無し 西眠東食是れ生涯 秋霜粛殺す刀三尺 夜月凄涼たり笛一枝 天網|疎と雖ど....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
のなし。料理屋に入りて食事をなすものあり、意に任じて数品を食し終わりて入り口の勘
定所に至り、自らその食するところのものを告げ、相当の代価を払うの例なれば、言をは....