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定期券
「定期券〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
定期券の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「廃墟から」より 著者:原民喜
ように、想っても、ぞっとするような姿に変り果てたことだろう。 私は学徒や工員の
定期券のことで、よく東亜交通公社へ行ったが、この春から建物疎開のため交通公社は既....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
ょうから二学期だわ。――あたしきょう、始業式のかえりに、日比谷の電気局によって、
定期券を買ってくるわ」 ミチミのあたまを見ると、彼女はゆうべ結った束髪をこわし....
「雪の夜」より 著者:小林多喜二
停っている列車の後の二、三台が家並の端から見えた。彼はもどろうか、と瞬間思った。
定期券を持っていたからこれから走って間に合うかもしれなかった。彼は二、三歩もどっ....
「浅間噴火口」より 著者:豊島与志雄
要領のうちに李は帰っていった。 翌日、李はまたやって来た。学校の学生証と電車の
定期券とを正枝に示した。 正枝は一瞥しただけでそれを却けて云った。 「私共は、....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
なったり、今喋っていることを明朝覚えているとは思われない。 お巡りさんは名刺と
定期券を合せて調べたが、たしかに本人の名刺だ。 けれども女丈夫は承知しない。所....
「駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
空想はとめどもなく私の胸に溢れていた。大槻というのはこの停車場から毎朝、新宿まで
定期券を利用してどこやらの美術学校に通うている二十歳ばかりの青年である。丈はスラ....