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定稿
「定稿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
定稿の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
な平仄《ひょうそく》を合わして漢詩さえ作って見た。そうしてその漢詩も一つ残らず未
定稿《みていこう》として日記の中に書きつけた。 余は年来俳句に疎《うと》くなり....
「仇討たれ戯作」より 著者:林不忘
こごえ》に履物を呼んだ。彼は四谷の六樹園書屋に自分の帰りを待っている雅言集覧の未
定稿に、これから夜を徹して加筆する仕事を思って急に愉快になった。....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
ろう。大正五年に珍書刊行会で公にした『劇界珍話』は飛蝶の名が署してあるが、優の未
定稿である。 抽斎歿後の第二十六年は明治十七年である。二月十四日に五百が烏森の....
「映画の世界像」より 著者:寺田寅彦
っさい省略してここには触れないことにした。 もし、この一編の覚え書きのような未
定稿が、映画の製作者と観賞者になんらかの有用な暗示を提供することができれば大幸である。 (昭和七年二月、思想)....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
を許さないものがあります。別冊がやがて全六巻という工合にあみこまれて、きっと又未
定稿がまとめられるでしょうね。ちょいちょいした断章に、忘られないのがあるわ。すぐ....
「わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
たもの、並びに未発表の続稿、合せて千枚ちかいものがあるだけ。この未発表の部分は未
定稿で、よほど手を入れなければ発表のできないものであった。しかし、未
定稿の部分を....
「森先生」より 著者:芥川竜之介
生は陸軍を退かれ、役所通いも止められしかば、日に焼けらるる事もなかりしなり。(未
定稿)....
「競漕」より 著者:久米正雄
そしてその草稿を合宿所の二階へ持って来て書くことにした。それで第四幕をとうとう未
定稿のままで発表することにしてしまった。十二時過ぎたので彼も床に入った。先刻まで....
「教育の目的」より 著者:福沢諭吉
この一編は、頃日《けいじつ》、諭吉が綴るところの未
定稿中より、教育の目的とも名づくべき一段を抜抄《ばっしょう》したるものなれば、前....
「数学史の研究に就きて」より 著者:三上義夫
男爵家から学士院へ寄附し、それで出来たのである。この書は著者にとってももとより未
定稿であり、また不完全のところもはなはだ多いのであるが、しかもまた見るべきところ....
「円朝花火」より 著者:正岡容
こはこれ、我が五色七いろの未
定稿なり、覚え書なり。 われ、三遊亭圓朝を愛慕すること年久しく、その一代を長編....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
も達しないで中途から尻切とんぼに打切られておる。恐らくはマダ発表するを欲しない未
定稿であったろうと思う。尤もこの悶々の場合にこれより以上に玉成する事はとても出来....