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「定評〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

定評の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠義」より 著者:芥川竜之介
どころ》のような、うす暗い所では、こう云う間違いも、起りやすい。――これが当時の定評であった。 が、板倉佐渡守だけは、この定評をよろこばない。彼は、この話が出....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
下手なダンサーではなかったのだ。 「踊りでは茉莉、顔では陽子」 と、十番館では定評になっていた。 「えッ、茉莉が……?」 と、陽子も顔色を――いや、陽子の顔....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
なか現れなかった。豹一にとっては気の毒な話だが、土門は約束の時間を守らないことで定評があった。遅れて来ることもあれば、むやみに早く来ることもある。早く来た時は、....
ルバイヤート」より 著者:小川亮作
た一四三首はペルシア語の原典から直接訳したもので、テクストにはオマルの原作として定評のあるものだけを厳選し、また最近のイランにおける新しい配列の仕方に従って、「....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ら最も優れたるものを選ぶというのはすこぶる困難な仕事であるので、ここでは世すでに定評ある名家の作品のみを紹介することにした。したがって、その多数がクラシックに傾....
博物誌あとがき」より 著者:岸田国士
なようでいて「間違い易く」、ひと癖あるようで、その実、最も正しいフランス語という定評のある所以であろう。 (昭和二十六年一月)....
雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
監督の番である。大体において日本にはトーキー監督としてたいしたやつはいないという定評になつているようである。事私自身に関するかぎり、この定評には黙つて頭を下げて....
政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
て、本質は、先ごろの暗黒時代の政治家といささかの差異もない。反動的無能内閣として定評ある現在の幣原内閣の閣僚たちに比較してさえ、古くさく、教養に乏しく、より反動....
大阪の可能性」より 著者:織田作之助
ろは猫も杓子もこういう風ですなという固着観念を、猫も杓子も持っていて、私はそんな定評を見聴きするたびに、ああ大阪は理解されていないと思うのは、実は大阪人というも....
役者の一生」より 著者:折口信夫
思う。だが、其が彼の素質的なものかどうかは断言出来ぬのである。でも源之助の遊女の定評になった頃には、もう彼がすがれた頃だった。 羽左衛門が梅幸を失って、一時源之....
人間山中貞雄」より 著者:伊丹万作
人が騒ぐほどには買えなかつた。 彼の作品が実にスムーズに美しく流れていることは定評のとおりである。しかしそれは私の志す道とは必ずしも方向が一致しなかつたのでさ....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ヶ谷の別荘や日吉の神輿振りなどを書き加えたもので、団十郎の重盛や西光法師はすでに定評あるものであったが、八百蔵の清盛入道は書きおろしの左団次を凌ぐという大好評で....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
ただ一般にいって、すでに完成された芸術作品を専ら鑑賞する側に立つ大衆からいえば、定評あるものを愉しむのが早道でもあるし、また自然そうするのほかない事情もあるだろ....
俗臭」より 著者:織田作之助
だいの中で、千恵造は児子一家の面汚しとされている。穀つぶしの意久地なしというのが定評だ。大変気が弱いということは記憶に止めて置く必要がある。元来彼等きょうだいの....
若狭春鯖のなれずし」より 著者:北大路魯山人
は若狭が第一、次に関西ものにかぎると言うのは、私の独断ばかりではない。由来通人の定評するところである。 全く伊勢湾から東方の海となると、美味いさばの漁獲は望み....