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定跡
「定跡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
定跡の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幻談」より 著者:幸田露伴
しあ加州の御客に聞いておぼえましたがネ、西の人は考《かんがえ》がこまかい。それが
定跡《じょうせき》です。この竿は鮎をねらうのではない、テグスでやってあるけれども....
「斬られたさに」より 著者:夢野久作
ものでもない。しかも当城下に足を入れたならば、何よりも先に平馬殿の処へ参いるのが
定跡……とあの時に思うたけに、一つ平馬殿の器量を試めいて見るつもりで、わざっと身....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
あ、先へ進んでみましょう」 「ええ」 「あ、ちょっと待って下さい。迷路を行くには
定跡がある。これはあなたにお願いしたい。春部さん。あなたの左手は自由になるでしょ....
「鵞鳥」より 著者:幸田露伴
せてやったり、何にかかにか自分の心を夫に添わせて働くようになる。それがこの数年の
定跡であった。 ところが今日はどういうものであろう。その一※眼が貴いものであっ....
「坂口流の将棋観」より 著者:坂口安吾
はじめて本当の勝負というものをやりだしたのが升田八段と私は思う。升田八段は型だの
定跡を放念して、常にたゞ、相手が一手さす、その一手だけが相手で、その一手に対して....
「戦後新人論」より 著者:坂口安吾
とではなかったろう。彼の将棋は相手に一手勝てばよいという原則を信条として、旧来の
定跡の如きを眼中にしない。したがって、旧来の
定跡では、升田の攻撃速度に間に合わな....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
一団に遠慮したような声で、法水は検事に囁いた。 「見給え支倉君、これも、今までの
定跡集にはなかったことだよ」 と検事に、赤※のような形をしたドス黒いものを示し....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ってくる。日本語の文法よりも、もっと、もっととりとめのない感じだなア。碁将棋には
定跡があるし、武術には型があるが、それは基本とは違うようだ。柔道ではまず転び方を....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
将棋では第一手に、角道をあけるか、飛車の頭の歩を突くかの二つの手しかない。これが
定跡だ。誰がさしてもこうだ。名人がさしてもヘボがさしても、この二手しかない。端の....
「大阪の可能性」より 著者:織田作之助
は、実は大阪人というものは一定の紋切型よりも、むしろその型を破って、横紙破りの、
定跡外れの脱線ぶりを行う時にこそ真髄の尻尾を発揮するのであって、この尻尾をつかま....
「海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
続いてズドンと雄に一発喰わせる。まず、雌を撃ちとって置けば、一漁に二頭を獲るのは
定跡となっている。鯨の鼻の下の幅を計ったことはないが、人間の男と大差はないらしい....
「淡紫裳」より 著者:佐藤垢石
会で優勝した人など、まだ三十歳を出たばかりであるが、この人など素人とはいえ熱心に
定跡を学んでいる風がある。この分で行くと、京城の棋界はこれから目覚ましい発達を示....
「恐怖の季節」より 著者:三好十郎
陣してあるのだ。それらが、恐ろしく手のこんだ近代リアリズム小説作法的「必然性」の
定跡で武装してある。つまり、伸子(したがって深い所で作者)は、絶対不可侵に神聖に....