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定食
「定食〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
定食の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
られたら、しょせんたち打ちはできないと思ったものか、つかつかとやって来ると、案の
定食ってかかりました。 「何をするのじゃ! 死骸《しがい》に指一本たりとも触れる....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
に導かれて、二人の老人がはいって来る。 それは芭蕉翁と歌麿とである。 芭蕉は
定食でいいという、歌麿はア・ラ・カルテを主張する。 前者は氷水、後者はクラレッ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
右側の窓際のところへ座席をとることができ、銀子の好みでこの食堂での少し上等の方の
定食を註文した。均平が大衆的な浅草あたりの食堂へ入ることを覚えたのは、銀子と附き....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
ったが。 パリについた晩、近所のうすぎたないレストランへ行って、三フラン五十の
定食を食った。日本の一品料理見たいなあじのものだ。で、しかめつらをして食っている....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
のガラス絵を試みるのであるが、これはガラスの透明から来る心地のよい感じが、例えば
定食のあとのアイスクリーム位の価値を自分に与えるもので、一週間ばかりの油絵製作の....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
である。たとえば散歩の時カフェー代と多少のタクシと活動写真観覧費とレストウランと
定食代位のものかと考える。職業柄の材料費というものは案外素人の考えるほどにはかか....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
である。たとえば散歩の時カフェー代と多少のタクシと活動写真観覧費とレストウランと
定食代位のものかと考える。職業柄の材料費というものは案外素人の考えるほどにはかか....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
。僕はね。料理にしますとあまりに巴里の特別料理を食べ過ぎました。それでね。普通の
定食料理が恋しくなったんです。」 夫人の調子は案の定、今口に出した思い付きの一....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
と女給――ともに日本人――が二階の台所へ向って註文を通す声がはっきり聞える。 『
定食ツウ!』 けだし「ツウ」は two にして二つの意味であろう。 『ナンバ・....
「童貞」より 著者:豊島与志雄
れて、胸がしきりに痛んだ。 広い通りに出て、そこのレストーランにはいった。 「
定食。……それから、日本酒を一本くれ給い。」 うっとりと思いつめた気持のために....
「裸木」より 著者:豊島与志雄
い白い天井、行儀よく並んだ真白な卓子、水打った鉢の樹木、その中に彼は腰を下した。
定食を避けて、気に入った料理を四五皿、それにビール……。 粗らな客……ボーイ達....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
人いっしょに押し込まれて、三室分の代を勘定された。食事に彼らは倹約するつもりで、
定食を断わって質素な食べ物を注文したが、それがまた非常に高価《たか》くて、おまけ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
にしても、前身がそうであればそう変テコな板前を置く筈はないから当然であろう。宿の
定食のあたりまえの料理でもうまい。いわゆる宿屋料理というものではありません。大そ....
「食堂」より 著者:島崎藤村
って見せた。 「時節が時節ですから、皆さんの来易いようにして、安く召上って頂く。
定食が三円、それ以上はお望み次第ということにしています。そりゃ店のお得意とは限っ....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
のである。 かめ屋の横丁の次の角が、近頃出来た沢正関西料理店という家だが、一円
定食としてある。上ってはみないが何だか変てこな名である。美濃常も古く、天賞堂も古....