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宛名
「宛名〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
宛名の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
都合よく運んだからその中にゆく。」と書いてくれと云うので、その通り書いてやった。
宛名が女なので、「隅へは置けないぜ」とか何とか云って冷評《ひやか》したら、「これ....
「影」より 著者:芥川竜之介
皿に葉巻を捨てて、机の上の封書を取上げた。それは白い西洋封筒に、タイプライタアで
宛名を打った、格別普通の商用書簡と、変る所のない手紙であった。しかしその手紙を手....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
書いたんだか、いっこう判然しない。これは原君の所へ来た、おばあさんだが、原君が「
宛名《あてな》は」ときくと、平五郎さんだとかなんとか言う。「苗字《みょうじ》はな....
「城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
と。そのなんとか権所有の、これもそう思えば国定教科書に似つかわしい、手紙の文例の
宛名のような、人の名。そんな奥付の有様までが憶い出された。 ――少年の時にはそ....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
豹一はろくろく聴いていなかった。 翌日九時に出社すると、いきなり郵送用の帯封へ
宛名を書かされた。正午まで打っ続けに三時間書いた。購読者だけでなく、宣伝用に無料....
「蠅男」より 著者:海野十三
てある映画台本ですよ」と帆村は二枚の脅迫文を指し、「どうです。第二の脅迫状には、
宛名が玉屋総一郎へと書いてあって、第一の脅迫状には
宛名無しというのは、これはどう....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
して貰おう――どこをどうしてだか知らないが、とにかくパリに着いた。 コロメルの
宛名の、フランス無政府主義同盟機関『ル・リベルテエル』社のあるところは、パリの、....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
えてくれた。そして船長は、自分の名刺をつかって、紹介状をかいてくれたのであった。
宛名を見ると、「帆村荘六どの」としてあった。 帆村荘六? どこかで聞いたような....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
市ヶ谷から(一) *
宛名・日附不明 僕は三畳の室を独占している。日当りもいいし、風通しもいいし、新....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
身の手でこ奴をチッキにつけたんだよ。夫人の本邸へではなく、内密で僕のこの事務所を
宛名にしてね。――今頃は屹度岸田の奥さん、大騒ぎで両国駅へ、チッキならぬワタリを....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
カへ持っておいで、ここからポカへは二時間ぐらいでゆかれる。そこへいってこの手紙の
宛名になっている紳士をたずねなさい。たれでも知っている紳士ですから、その人が明日....
「春」より 著者:岡本かの子
方へ立って行ったあとで、加奈子は此の間中から幾度も繰り返したように、京子の手紙の
宛名に就いて考えて見た。秀雄、秀雄、そんな名前は京子の情事関係で別れた男の中には....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
はすて、博士はなんども書きなおして、やっと一|通の手紙をかきあげると、封をして、
宛名をしたためた。 それには肉太の博士のいつもの字で、 『ポート・バードック署....
「女の決闘」より 著者:オイレンベルクヘルベルト
学科やらの、高尚な講義を聞いて、下宿へ帰って見ると、卓の上にこんな手紙があった。
宛名も何も書いてない。「あなたの御関係なすっておいでになる男の事を、ある偶然の機....
「飴チョコの天使」より 著者:小川未明
なると、汽車は、都会の停車場に着きました。 そして、その日の昼過ぎには、小包は
宛名の家へ配達されました。 「田舎から、小包がきたよ。」と、子供たちは、大きな声....