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宛字
「宛字〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
宛字の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「槍ヶ岳第三回登山」より 著者:小島烏水
大石の上には水で描いた小さな足痕が、紋形をして、うす日に光っている。 馬場平(
宛字)というところへ来ると、南北の両側に、雪が築き上げられたように多くて、高さは....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
》って生んだ子とも裔《すえ》ともいう(『日本紀』一)。この夫妻の名をかく書いたは
宛字《あてじ》で、『古事記』には足名椎手名椎に作る。既《はや》く論じた通り、上古....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
をして、三字、五字、七字にする。したがって、江戸時代の狂言や浄瑠璃の名題に、妙な
宛字や作字をしているのも少なくないが、明治以後の新狂言の名題に※の字を笑いながら....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
角点の立てる一峰、標高三千七十米突、主峰の北々東だ、が北穂高岳「信飛界、空沢岳(
宛字)、嘉門次」と命名しておく。 櫓の下より東に向いて、数十丈の嶮崖を下らねば....
「サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
の穴住まいをなすことはむしろ稀な場合であって、柳田君も既に言われた如く、勿論この
宛字は意義をなさぬ。よしや穴住まいをしているものについての称呼だとしても、それを....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
剛山の上に近い小部落は古くからあったらしい。 “茅屋”の名が古く、千剣破は当時の
宛字である。後々まで“千早”がひろく通っている。 谷、深きこと、東百丈、西七十五....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
楽等は、みなその類例だとある。(本誌六巻五号七三頁を見よ。)燕丹はすなわちエタの
宛字で、当時はこれらの徒をまで広くエタと呼んでいた事が知られるのである。「師茂記....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
ていた山名が見当違いの山に与えられた例とも見る可きものであろう。 毛勝は饑渇の
宛字であるとすれば、饑渇をケカツと発音することは、独り越中地方にのみ限られた訛音....