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「宝の山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

宝の山の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
写真器械、雑嚢《ざつのう》など、一行の荷物は店頭に堆高《うずたか》く積んである。宝の山に入りながらではないが、我が荷物ながらオイ遣《よこ》せと持出す訳にも行かず....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ました。 揚げ代金が二十文だとか三十文だとかいわれていた安値の時代に、天下ご通宝の山吹き色一枚は、米の五、六石にも相当する大金でしたから、年増の小鼻を鳴らした....
少年探偵長」より 著者:海野十三
どりで、聖壇のまえまで近寄ると、われがねのような声で怒鳴った。 「さあ、いよいよ宝の山へやってきたぞ。いまわしが手を下せば、宝はたちどころにわしの手に入るのだ。....
共軛回転弾」より 著者:海野十三
器として、どれを択んで持ち帰りなばよろしきや、さっぱり分らない。チーア卿たる者、宝の山に入りながら、あまりに夥しき宝に酔って急性神経衰弱症に陥ったきらいがないで....
火薬船」より 著者:海野十三
事をさとったのである。 (火薬船とは、こいつは有難い!) 竹見は、思いがけない宝の山をほりあてたように思った。これなら、彼のあこがれている冒険味百パーセントの....
」より 著者:海野十三
人の腎臓を直したのが、関の山、毎日自転車で真黒になって往診に走りあるいているが、宝の山を掘りあてたという話も聞かなければ、博士はおろか、学士さまになることも出来....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
すみす、目前にみながら此処が限度となると、両様意味はちがうが、二人の嘆きは。……宝の山の鰻のにおいを嗅ぐ、セルカークはことにそうであった。 「畜生、せっかく此処....
淪落の青春」より 著者:坂口安吾
ある。けれどもこんな山奥からでは運賃に食われるから、亭々たる大木が無限にあっても宝の山をいだきながら、一文にもならない。戦争中は挺身隊だの学徒隊だのというのが無....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
の捨て扶持はいるだらう。ちよッとオダテルてえと、あなたといふ人はすぐそれだから、宝の山にいつも一足かけながら、隣の谷底へ落つこつてばかりゐるんだな。私だつたら、....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
おどろいたッたら、ありゃしねえや。一カン、七八貫、十二カン、全然純粋ときやがら。宝の山を持ちながら、奴め、処分に困っていやがるのさ」 才蔵はポケットから阿片の....
土の中からの話」より 著者:坂口安吾
ついでにとって損などとは、と言うと、殿様が叱りつけて、馬鹿を言うものではないぞ、宝の山へ這入って空しく引上げる者があることか受領(国司)は至る所に土をつかめと言....
かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
たのお手はと逆寄せの当坐の謎俊雄は至極御同意なれど経験なければまだまだ心|怯れて宝の山へ入りながらその手を空しくそっと引き退け酔うでもなく眠るでもなくただじゃら....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
まなかった。加之ならず語学校の僚友及び学生は留任を希望して嘆願した。が、二葉亭は宝の山へ入る如き希望を抱いて、三十五年の五月末に断然語学校を辞職すると直ちに東京....
炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
重せられた奈良の御代において、陸奥から黄金が発見されたと聞いては、我も我もとその宝の山に分け入りたくなる。「鳥が鳴く東の空に僥倖しに、行かんと思へど便宜も旅費も....
家庭料理の話」より 著者:北大路魯山人
なことはないではないか。 要するに、材料の処理方法、料理の仕方を知らないから、宝の山に入りながらという次第で、大変な損失である。これも日常食に対する教養の足り....