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「宝丹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

宝丹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
しろ子供のように、可愛がっていらしった犬ですから、わざわざ牛乳を取ってやったり、宝丹《ほうたん》を口へ啣《ふく》ませてやったり、随分大事になさいました。それに不....
永日小品」より 著者:夏目漱石
めに汚されてしまった。 「どうもしようがないな。腸胃《ちょうい》が悪いんだろう、宝丹《ほうたん》でも水に溶《と》いて飲ましてやれ」 妻《さい》は何とも云わなか....
満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
へ乗った。 三十一 いよいよ腹が痛んだ。ゼムを噛《か》んだり、宝丹《ほうたん》を呑んだり、通じ薬をやったり、内地から持って来た散薬を用いたりす....
突貫紀行」より 著者:幸田露伴
て跋提河《ばだいが》の釈迦《しゃか》にちかし。一時《ひととき》ばかりにして人より宝丹《ほうたん》を貰《もら》い受けて心地ようやくたしかになりぬ。おそろしくして駄....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
裸体で子どもに三字経を教えていた。わたしはこの先生に一椀の水を貰って、その返礼に宝丹一個を贈って別れた。 その池、その荷花――今はどうなっているであろう。 ....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
は薬をめったに飲んだことがないので、日本人にくらべると非常に薬の効目がある。現に宝丹をのんで肺炎が癒ったなどという話もきいた。しかしこの娘の病気――殊にこの年頃....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
より取り寄せ、その取次販売の路をひろげることを思い立ち、一時は東京|池の端の守田宝丹にも対抗するほどの意気込みで、みごとな薬の看板まで造らせたが、結局それも士族....
星女郎」より 著者:泉鏡花
は、眠った花を、さあ、咲け、と人間の呼吸を吹掛けるも同一だと。…… で、懐中の宝丹でも出すか、じたばた水でも探してからなら、まだしもな処を、その帯腰から裾が、....
おとずれ」より 著者:国木田独歩
吹き込みし。 よき物まいらせんとてかの君手さげの内を探りたまいしが、こはいかに宝丹を入れ置きぬと覚えしにと当惑のさまを、貴嬢は見たまいて、いなさまでに候わずと....
泉鏡花先生のこと」より 著者:小村雪岱
れたのですが、後でそれが蛙と聞いて先生はびっくりし、懐中から手ばなしたことのない宝丹を一袋全部、あわてて飲み下して、「とんだことをした」と、蒼くなっておられた時....
山椒魚」より 著者:岡本綺堂
曾街道をぶらぶらとたどって行くと、暑さにあたったのかどうも気分がよくない。用意の宝丹などを取り出してふくんでみたが、そのくらいのことでは凌げそうもない。なんだか....
はなしの話」より 著者:岡本綺堂
知られたが、軍医部は少し離れているので、薬をもらいに行くことも出来ない。持合せの宝丹を塗ったぐらいでは間に合わない。私はアンペラの敷物の上にころがって苦しんだ。....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
色で、ことさらに寒冷紗へ描いた処に椿岳独特のアイロニイが現れておる、この画は守田宝丹が買ったはずだから、今でも宝丹の家蔵になってるわけだが、地震の火事でどうなっ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
進むことが出来ない。そこで案内者は水を汲んで持って来てくれた。その水を飲んで少し宝丹を含んで居りますと大分に気持が快くなって来た。自分の手の痛い所へはカンプラチ....
すみだ川」より 著者:永井荷風
鼠《ねずみ》の走る天井からホヤの曇った六分心《ろくぶしん》のランプがところどころ宝丹《ほうたん》の広告や『都新聞《みやこしんぶん》』の新年附録の美人画なぞで破《....