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宝冠
「宝冠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
宝冠の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「上高地風景保護論」より 著者:小島烏水
がれて、羽を挿した帽を冠った人や、氷斧《アイスアックス》を担いだ人や、または白衣
宝冠の人たちが、年々の夏、何千人または何万人となく入り込むのは、この国が日本にお....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
移牒のありましたのは。大公の死後に、手ずから書かれた備品目録の中から、カライクの
宝冠と皇帝の侍従長トドロイッチから贈られたこの置洋燈が紛失しているのです。」 「....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
》』巻三、頁三八二)、『大智度論』に竜象獅鷲の頭に赤玉あり、欧州で蛇王バリシスク
宝冠を戴き(ブラウン『俗説弁惑《プセウドドキシア・エピデミカ》』三巻七章ウィルキ....
「地は饒なり」より 著者:宮本百合子
幻的空想は、今ようようその気まぐれな精力と、奇怪な光彩とを失い、小さい宝杖を持ち
宝冠を戴《いただ》いた王様や女王様、箒に乗って月に飛ぶ鼻まがりの魔法使いなどは、....
「旅愁」より 著者:横光利一
。
その前にかかった橋は世界第一と称せられるものであるが、見たところ白い象牙の
宝冠のようである。欄柱に群り立った鈴のような白球灯と豊麗な女神の立像は、対岸の緑....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
駕て所々に見ゆる者あり。或紳士の拝まれたるは天鷲絨の洋服|裳長く着玉いて駄鳥の羽
宝冠に鮮なりしに、某貴族の見られしは白|襟を召て錦の御帯金色赫奕たりしとかや。夫....
「大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
もいえず愉《たの》しげな雰囲気をかもし出している。そうしてその仏たちのお貌だの、
宝冠だの、天衣《てんね》だのは、まだところどころの陰などに、目のさめるほど鮮やか....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
、緑柱石、煙硝、氈、香木、没薬、更紗、毛革、毒草、劇薬、珊瑚、土耳古玉、由縁ある
宝冠、貿易の品々が積んである! さあ、日が落ちた、港へはいれ! 黎明が来たぞ、島....
「ホオムズの探偵法」より 著者:平林初之輔
ロック・ホームズの探偵法もこれに似ている。「ベリル・コロネット事件」(「緑柱石の
宝冠」)The Adventure of The Beryl Coronet の....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
焔をはさんだ背光の放射的な線と、静かに迂曲する天衣と、そうして宝石の塊りのような
宝冠と、――それらのすべては堂全体の調和のうちに、奇妙によく生きている。前にこの....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
数千の人が争っている、
この刹那は尊敬して貰わんではならぬ。
独立するのが男だ。
宝冠玉座を望むものは、
自身にそれだけの値打がなくてはならぬ。
己に刃向かって起....
「随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
。 高サ六尺二寸、弘仁期のもので“子安地蔵”と呼ばれているという。またべつの“
宝冠釈迦像”も補修は多いが、すこぶる美作な鎌倉仏であった。 春の日も無性に短い....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
うに雪崩れ込んでいるのがわが劒岳の絶巓である。天に近きこと約そ三千米、額には雪の
宝冠が白金の如く輝いている。 二時間余り無駄に遊んで、悠々と此処を出懸る。尾根....