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宝刀
「宝刀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
宝刀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
機会に、家伝の菊一文字の短刀を惣八郎に贈ろうとした。彼は自分の家に無くてはならぬ
宝刀を失うことによって、恩を幾分でも返したというような心持を得たいと思ったのであ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
用じゃ、帰らっしゃい! 帰らっしゃい!」 「申したか! ウッフフ、とうとう伝家の
宝刀を抜きおったな! 今に五万石を小出しにするであろうと待っていたのじゃ。よいよ....
「稲生播磨守」より 著者:林不忘
まりましたものか、わたくしはさようなこと、一向に信用いたしませぬ。将軍家第一の御
宝刀は、本庄正宗のお刀と洩れ承《うけたまわ》っておりますが、元この刀は酒田の臣、....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
を見てから、妙な事を口走るようになったの、抜いてはならぬと禁しめられている伝家の
宝刀を抜いて見ているうちに、血相が変って来たの……というような話が、いくらでも出....
「冥土行進曲」より 著者:夢野久作
垂れて水気が滴るよう……中心に「建武五年。於肥州平戸作之。盛広」と銘打った家伝の
宝刀である。近いうちにこの切先が、私の手の内で何人かの血を吸うであろう……と思う....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
そん》になり、主人もまた、極めをつけていただくことが嫌いなのでございまして、ただ
宝刀として蔵《しま》って置きましたのでござりまする」 「なるほど」 ここの一座....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
どぶり、どぶり、と浪よ、浪よ、浪よ渦くよ。 同時に、衝とその片手を挙げた、掌の
宝刀、稲妻の走るがごとく、射て海に入るぞと見えし。 矢よりも疾く漕寄せた、同じ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
でもなく、万難を排してわが手へとりもどすべきであるが……。
その仇を報じ、その
宝刀をうばい返してくださるのが、やっぱりあの栄三郎さまではないか。
強い、やさ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
に嫌だろうと思っていましたのに、私自身いわれてしまったんですもの。まるで、伝家の
宝刀をつきつけられた賊のようでしたわ。私、どんな清純な気持でいても、奥さまの立場....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
り、一丈の晒布に身を変じて、大名屋敷へ忍び込んだり、上杉謙信の寝所へ忍び、大切な
宝刀を盗んだりした、始末の悪い人間なのだよ」 植木師の一隊 「どうしてお偉....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
り無鉄砲過ぎる。網苧の山里の立場茶屋に猪嚇しの鉄砲が用意してあるほどなら、道節も
宝刀を捻くり廻して居合抜の口上のような駄弁を弄して定正に近づこうとするよりもズド....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
切なお刀を泥坊に取られると云うは、災難とは云いながら、お屋敷さま御伝来の大切な御
宝刀で有るぞよと、稻垣さまが仰しゃった事を慥に覚えているが、これが紛失るとお屋敷....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
っぽい人間に出会わないので、背中の物干竿が夜泣きをしていた折でもある。この伝家の
宝刀も、自分の手に渡ってからまだ血に飽かせたことがないし、すこし錆も来ているから....
「三国志」より 著者:吉川英治
「うぬ、土民の分際で」 「それほど俺の生擒った何儀が欲しければ俺の手にあるこの
宝刀を奪ってみろ。そうしたら何儀を渡してやる」 悪来典韋はかえって、許※のため....
「三国志」より 著者:吉川英治
段の陣へ隠れかけた。 大象に鞭をくれて、馳け寄った木鹿王は、その高い鞍の上から
宝刀を振りかざして、 「孔明。今日こそ、その命を貰ったぞ」と、斬り下ろした。 ....