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宝船
「宝船〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
宝船の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球を狙う者」より 著者:海野十三
この様子では、花陵島へ上陸するのではあるまいか。そう思うと、僕はなんだか極楽行の
宝船にのりこんだような気がしてきてならなかった。ところが、これがとんだ感ちがいで....
「もの思う葦」より 著者:太宰治
うことに、黒白の二種、たしかにあることを知る。なにわぶしの語句、「あした待たるる
宝船。」と、プウシキンの詩句、「あたしは、あした殺される。」とは、心のときめきに....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
(ウーイ、ウーイ)ます/\御繁昌で(ウーイ、ウーイ)表の方から千両箱、右の方から
宝船(ウーイ、ウーイ)……
障子の外に立聞く主人は、冷汗が流れた。彼は窃とぬき....
「鉄面皮」より 著者:太宰治
やしない。「いったい私は、どうしたらいいのかなあ。」いつか水上温泉で田舎まわりの
宝船団とかいう一座の芝居を見たことがあるけれど、その時、額のあくまでも狭い色男が....
「今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
とちがって文芸懇話会はプロレタリア作家以外の純文学作家をも多数包括した。「文化の
宝船に、文芸の珠玉を載せて、順風に金襴の帆を孕ませて行く。それが文芸懇話会の使命....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
》ある。青白い燈火《ひかり》が射しいる。その燈火に照らされて見えるのは、七福神の
宝船、それに則って作られた船と、満載されてある武器弾薬と、そうしてそれへ乗り組ん....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
を以て取るべからざる物を取ろうとする愚かな事じゃ。 大黒天の事は石橋臥波君の『
宝船と七福神』てふ小冊に詳述されたから、今なるべく鼠に関する事どもとかの小冊に見....
「怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
ルを握った水夫は、会心の笑みをうかべて独言った。 「これで、きれいさっぱりした。
宝船の主人は、つまり、この乃公だ」 彼は、麻縄でぐるぐる巻にされ、甲板に転がっ....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
く》するためか、あるいはまた過ぎた年の厄払《やくばら》いのためか、正月の二日に、
宝船《たからぶね》を枕《まくら》の下に敷き、めでたき初夢を結ぶことは、わが国古来....
「巷の声」より 著者:永井荷風
、葱売、稗蒔売、朝顔売の如き、いずれか俳諧中の景物にあらざるはない。正月に初夢の
宝船を売る声は既に聞かれなくなったが、中元には猶お迎いお迎いの声を聞く。近年麻布....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
であった。アゾレ群島にきてみると、スペイン艦隊の影もなかった。が、待っておれば財
宝船はいつなんどき現われるかわからないのである。群島の中心堡塁をなすテルセイラは....
「熊手と提灯」より 著者:正岡子規
奴にはきっと福は来ないよ。身分不相応な大熊手を買うて見た処で、いざ鎌倉という時に
宝船の中から鼠の糞は落ちようと金が湧《わ》いて出る気遣《きづかい》はなしさ、まさ....
「金銀小判」より 著者:小川未明
小判の両替。」と、呼んで歩く子供の声が聞こえたのであります。 毎年この夜は、お
宝船や、餅玉の木に結びつける小判をこうして売って歩くのでありました。 けれど、....
「ユモレスク」より 著者:久生十蘭
ォニと触れながら横通りから出てきた。やすは、 「うむ、巴里もいいところがあるね。
宝船を売りにきた。そら、おたから、おたからといっている」 「冗談じゃないわ。巴里....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
国から食糧を積んで三日前に長崎に来た貨物船であった。飢え迫るこの地方の人々はこの
宝船によって救われた。県民は食糧放出感謝大会を開き、今日その感謝文をもって長崎県....