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「実し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

実しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二つの道」より 著者:有島武郎
また左のみを辿って平然としていることはできない。この二つの道を行き尽くしてこそ充実した人生は味わわれるのではないか。ところがこの二つの道に踏み跨がって、その終わ....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
全身が不思議なことに、まったく見違えてしまったほどに豊かな、いかにも生理的にも充実しているかのような、烈しい意欲の焔《ほのお》に包まれてしまったのである。しかし....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
識も道徳も変化する。然しそれが或る期間固定していて、私の生活の努力がその内容を充実し得ない間は、それはどこまでも、知識として又道徳として厳存する。然し私の生活が....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
学の保護奨励に勉めていた。シキスツス第五世は壮麗なヴァチカン宮の図書館を建設し充実した。新興の機運は正に熟していて、同時に既に始まっていた彼の残忍な宗教裁判を先....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
し。渋谷から青山の通りを経て赤坂見附まで全くよく焼けたもの。古くからの、そして充実した町であっただけに灰燼に帰した今日、口惜しさがこみあげてくる。 材木町で下....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
店もないが、小ぢんまりと落付いた賑やかさの夜街の筋が通っていた。店先には商品が充実していて、その上種類の変化も多かった。道路の闇を程よく残して初秋らしい店の灯の....
食魔」より 著者:岡本かの子
ッ!」 「料理だって音楽的のものさ、同じうまみがそう晩までも続くものか、刹那に充実し刹那に消える。そこに料理は最高の芸術だといえる性質があるのだ」 お絹は屑箱....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
。新吉はわれを忘れて見送った。あれ程の年をしながら青年のように女に対して興味が充実してる男が羨ましかった。新吉のようにもう夢のほか感情の歯の力を失ったものは彼の....
中毒」より 著者:織田作之助
ルのように、 「生きた、書いた、恋した」 というような言葉を選べるほど、私は充実した人生を送って来なかった。まかりまちがって墓銘を作るとすれば、せいぜい、 「....
夜光虫」より 著者:織田作之助
いわば、雪子を拾った夜から青蛇団の一党を自首させた夜までのまる一昼夜くらい、充実した時間は、かつて小沢を訪れなかった――と言えよう。 しかも、なお、偶然は小....
式部小路」より 著者:泉鏡花
するか。刻苦精励、およそ数千言を費して、愛吉を女房の前に描き出した奴は、ここに現実した火の玉小僧の姿を立たせて、ただひめのりの看板に、あッけなく消えてしまったの....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
落して、切身の目分量をした姉御は、腕まくりさえしないのに、当時の素裸の若い女を現実した。 「槙村さん、――そこに柿の樹がありましょう。」 八郎は流の窓から指し....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
陣を要求するものであります。吉田内閣が、警察予備隊を保安隊に切りかえその装備を充実しつつあることは、憲法第九条の違反の疑い十分なることは、何人といえどもこれを認....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
は大であれ、小であれ、その人の力一杯だけを表現して行く。ここに人間にとって最も充実した人生があります。実はそれだけで辛苦努力の報は酬われているのです。あとは雨降....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
争を以て戦争を養う主義により、長年月の戦争により、良く工業の独立を完うし国力を充実して、次いで来るべき殲滅戦争を迎うるを得べし。 昭和四年頃はソ連は未だ混沌た....