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実にや
「実にや〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
実にやの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「竹の木戸」より 著者:国木田独歩
竈だって堅炭だって悉な去年の倍と言っても可い位だからね」とお徳は嘆息まじりに「真
実にやりきれや仕ない」 「それに御宅は御人数も多いんだから入用ことも入用サね。私....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
なった。そしてシルヴァーの復讐は、高々、ジョージ・メリーを歩哨に立たせて、もし誠
実にやらないと殺してしまうぞと嚇したことだけだった。 私は永い間眼を閉じること....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
れど、今日の経験で、みなさんは、家をたのしくするには、めいめいが、受持の仕事を忠
実にやらなければならぬということがわかったと思います。ハンナとあたしが、みんなの....
「女性の諸問題」より 著者:倉田百三
ースにしだしては死滅してしまうのである。だから前回に述べたような現実の心づかいは
実にやむを得ない制約なので、恋愛の思想――生粋精華はどこまでも恋愛の法則そのもの....
「裏切り」より 著者:坂口安吾
たようですが、タダメシに毛の生えた程度のものらしかったようです。 「これぐらい忠
実にやってんだから、オレの事務所で働けよぐらいのことを云ってくれてもよさそうだと....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
変なことになりましょうよ」 それは僕も同感であった。 「まったくそれを思うと、
実にやり切れない。彼のことを考えると……」と、僕は思わず大きい声を出した。 「え....
「指輪一つ」より 著者:岡本綺堂
人の声だけははっきりと耳にひびいて、僕もすぐに答えました。 「まったく大変です。
実にやり切れません。」 「あなたは震災後、はじめてお乗りになったんですか。」 「....
「紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
、そっと手弱女を引き起こした。それから彼は立ち上がり腕を組んで黙然と眺めていた。
実にやこの世の物ならぬ妖艶たる手弱女のその姿を。 七人の相手を追い散らし、馳せ....
「光は影を」より 著者:岸田国士
ろ、照れ臭かつた。 照れ臭いといえば、今も、彼は、顔にこそ見せないつもりだが、
実にやり切れない気持である。これが初めてのことではあるが、母の口からそんな話を持....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
端戦場へ出ようものなら、雑兵ほどの役にも立たぬ。残念ではあるが仕方がない、これは
実にやむを得ぬことだ」 こういって周作は、またにこやかに笑ったが、 「もうそろ....
「戦後合格者」より 著者:坂口安吾
小路実篤は何十年前にともかく新しい村という空想的ではあっても彼の精一杯の設計を現
実にやったが、共産党ときては、大きな図体をして、その理想のモデルたる部落も工場も....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
来たのである。ファラデーはこの人の部屋の掃除をしたり、靴を磨いたりしたが、大層忠
実にやった。それゆえマスケリーも自分の持っている本を貸してやったり、講義の筆記に....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
で誰もが商売をする。ただ商売をしないのはいわゆる不具者位の者である。その商売も誠
実にやるのでなく前にいうた通り懸値をいったり人を欺いたりすることが多い。どうもチ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
ぬがれていた。そうしたときに花咲く人の心の影が「詩」であったのである。その詩は現
実にやぶれて、それのかわりに肉身がしみ出させた真珠の玉ともいうべきものであった。....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
いるのだからね。〔すでにたびたび僕は創造主をのろった。――創造主が自分の被造物を
実にやくざな偶然の犠牲にして顧みず、そのため最も美しい花も滅びることがあるのをの....