実以て[語句情報] » 実以て

「実以て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

実以ての前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ゃ此処に斯うして毎日君の活動を見て居ると、羨ましくもなるし、黙って立って居る俺は実以て済まぬと恥かしくもなるが、此れが性分だ、造り主の仕置だから詮方は無い。それ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
った――あちらが役者が一枚上だ。そのまますごすご引返してここへ来る器量の悪さ――実以て面目次第もござらぬ」 だが、この話だって、どうだかわかったものではない。....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
ういう訳で私の金入を其の包の中へ入れて、是は他所で購求めたなどと、武士が人を欺き実以て怪しからん事だ、さア何ういう訳で貴方の物になすったか、何処から買入れたか篤....
魔都」より 著者:久生十蘭
な歯の間から、ヒクヒクと動く小さな舌の先が見える。酔眼朦朧たる加十の眼にもこれは実以て美事な眺めなのだ。 鶴子は加十にシャンパン酒を注がせては勢い猛に煽ってい....
六号室」より 著者:瀬沼夏葉
ゲニイ、フェオドロイチの言に従うように、ねえ君、頼むから。』 『宜しい、私は今は実以て二ちも三ちも行かん輪索に陥没ってしまったのです。もう万事休矣です覚悟はして....