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「実価〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

実価の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
に冷眼視するだけで、買わないからである 残本屋の揃い物が少し売れたのは、何にしろ実価の安いものだから(一円本が二十銭)、寝かして置いても店の飾りに成り、或はイツ....
創作家の態度」より 著者:夏目漱石
ょっと臆劫《おっくう》でなかなかできないから、歴史的に行くと自然現代の西洋作家を実価以上に買《か》い被《かぶ》る弊《へい》が起りやすいだろうと思います。そこで歴....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
いてたよるべき何物もない。凡ての矛盾と渾沌との中にあって私は私自身であろう。私を実価以上に値ぶみすることをしまい。私を実価以下に虐待することもしまい。私は私の正....
十二支考」より 著者:南方熊楠
肩味が広くなればなるほど、これが何で五大国の一かと重ね重ね怪しまるるほど日本人の実価が下ったように思う。孔雀好色あれど鷹に食われ、獅子小といえども大象を撮り食う....
今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
定価は大たいここでおさまっている。しかし六四頁といううすさを考えれば日本の雑誌の実価は非常に高い。 傾向 一九四五年八月以後戦時中緘口令をしかれていた綜合雑誌....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
込むというその重量は大したもので、「お気の毒」(一厘銭の異名)にしてからが莫大の実価である。それを人もあろうに、銭金《ぜにかね》にはあんまり縁の遠かりそうな男が....
初冬の日記から」より 著者:寺田寅彦
二百五十円まで奮発する。そうして社長に売渡した器械の持主があとから出て来たのには実価以上の百円やって喜ばせて帰して、結局百五十円の純益金を得る。それをもって根岸....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
を普通の人の眼につかぬようにするにおそらく最も寄与した事情は、労働の名目価格と真実価格との相違である。労働の名目価格が普遍的に下落するというのはごく稀である。し....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
に行って不在なので、食料品の価格は比例的には騰貴しないであろうから、この労働の真実価格の騰貴は、啻に結婚に対する有力な奨励たる作用を演じたばかりでなく、また農民....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
えてよかろう。』 英蘭《イングランド》の貧民法は食料の価格を引上げ、労働の真実価格を低下せしめる傾向があったように思われる。従ってそれは、その労働以外には何....
錬金詐欺」より 著者:小酒井不木
し、鉱山師やその他の連中に逢って、いい鴨が見つかると、先ず金粉の方を見せて、その実価の三分の二位で売る契約をし、いざというときに、真鍮粉を渡したからである。 ....
学問の独立」より 著者:福沢諭吉
十万円なれば、資金五百万円を一時に下附してその共同の私有金となし、この金をもって実価五百万円の公債証書を買うて、これを政府に預け、年々およそ五十万円の利子を収領....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
文銭(一文銅銭)二十何万円を売り金に換えんとするに、文銭は銅質善良なるを以てその実価の高きにかかわらず、政府より売出すにはやはり法定の価格に由るの外なくしてみす....
慶応義塾学生諸氏に告ぐ」より 著者:福沢諭吉
のなり。文明の頂上と称する国々に於てもなおかつ然り。まして日本の如き、その文明の実価はともかくも、西洋流の文明についてはすべて不案内なるこの人民に向い、高尚なる....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
うて石と共に棄ててしまうのは識者の取らぬところである。チベット国民の迷信中にも真実価値のある信仰ありと認識しなければならん。 さてそのチベット国民の真実の信仰....