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「実兄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

実兄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
喝采」より 著者:太宰治
な死にそこないの友人のために、井伏鱒二氏、檀一雄氏、それに地平も加えて三人、私の実兄を神田淡路町の宿屋に訪れ、もう一箇年、お金くださいと、たのんで呉れた。その日....
虚構の春」より 著者:太宰治
して居たかも知れません。加えて、兄のソシャリストになった心痛もあったでしょう。事実兄は、ぼくを中学の寄宿舎に置くと、一家を連れて上京、自分は××組合の書記長にな....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
「莫迦!」課長は記者の見え透いた出鱈目を簡単にやっつけた。 「犯人は、被害者の実兄だと称している西一郎(二六)なのでしょう」 「今のところそんなことはないよ」....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
面倒乍ラ左記親族或ハ知人ノ誰方カノ手ニテ然ルベク御処分相成度 神崎昌雄殿(英ノ実兄) 世田谷区世田谷一ノ一〇二七 小泉佑一殿(昌一ノ実弟) 豊島区千....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
恋仲であって、末は夫婦と当人達も思い、世間の人達もそう思っていた。しかるに若侍の実兄なる者が、理不尽にもそれを横取りした。――ここに悲劇の第一歩がある。 乙女....
」より 著者:島崎藤村
しつつあるのである。 直樹の父親もまた同郷から出て来た事業家であった。この人と実兄弟とは、長い間、親戚のように往ったり来たりした。直樹の父親の旦那は、伝馬町の....
悶悶日記」より 著者:太宰治
遺産があったという。いまは、いくらあるか、かいもく、知れず。八年前、除籍された。実兄の情に依り、きょうまで生きて来た。これから、どうする? 自分で生活費を稼ごう....
地獄の使者」より 著者:海野十三
いが……) 帆村は心の中で思ったが、果してそれは当っているかどうか。―― 「御実兄の異変を、いつ知られましたかな」 検事は、亀之介へ訊いた。 「ほう。そのこ....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
者を実家へ帰す折には、何うしても一旦|廉なく公然離縁をするンじゃに依って、此者が実兄深川佐賀町の岩延という者の処へ、千円の持参金に箪笥長持衣類手道具|等残らず附....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
、それを知ることなどは津右衛門の死後も忘れていた。 しかし、今、こうして実父と実兄が、言葉巧みな方法で、この家を我が手に収めようとするのに気付くと、ここに何か....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
べたいなら、オレのウチにいるな」 しかし、ミネもそのときは必死であった。自分の実兄、月村信祐に子がなかったから、左近に懇願して、次男の幸平を月村の養子にするこ....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
は飛加藤の亜流なのだよ、どのような所へでも入り込まれるよ。……お前の父親、わしの実兄の、東海林自得斎が極重悪木を利用し、自由に人が殺せるようにのう。……それにし....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
と手紙を出して置いた。 が尾道へ着くとまるで事情は滑稽だった。 伯父(母の実兄)、伯母(父の実妹)たちは私をまるで子供としてしか見ず、姉は挨拶などさせなか....
鉄の処女」より 著者:大倉燁子
したのだろうくらいに軽く考えて居りましたのに――』 西医学博士談(博士は夫人の実兄である) 『私が馳けつけた時には、もう已にこときれていて手の下しようもなかっ....
蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
結婚をそんなにまで不愉快に思うかというには理由があるのです。綾子さんは武雄さんの実兄で、御木井男爵家の嫡男文夫さんの妻だった人なのです。しかも二人は相思の仲だっ....