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実名
「実名〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
実名の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たきは山路郡蔵、この姓名も出たらめで、本人は野口武助、相手は森山郡兵衛というのが
実名でした」 「じゃあ、かたき討も嘘ですか」 「まあ、こういうわけです。野口武助....
「真田幸村」より 著者:菊池寛
真田幸村の名前は、色々説あり、兄の信幸は「我弟
実名は武田信玄の舎弟|典厩と同じ名にて字も同じ」と云っているから信繁と云ったこと....
「ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
は私は自分をウィリアム・ウィルスンと名づけることにしているのであるが、――これは
実名とあまり違わぬ仮名なのである。学校の言葉で、「我々の仲間」と言っている者のな....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
父の実父たる菱田の祖父がそれをしてくれた。同時に助之進という通称の外に師克という
実名をつけた。これはその頃名乗といって、通称の外に元服後はなくてはならぬものであ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ていて、しかもその仮面がすぐに見分けられるほどだったから、町の餓鬼小僧どもはその
実名を名ざすことができた。幾つもの悪口新聞が、その三日の間に現われた。社交界の人....
「わが思想の息吹」より 著者:坂口安吾
るのであるのに、丹羽君の如く、Wだけ仮名にするとは言語道断、なぜ他の人々に限って
実名でスキャンダルを書きあばくか、こう平ぺったく、紋切型にしか読めなくては話にな....
「性格としての空間」より 著者:戸坂潤
して、判断の性格を失うことは出来ない。それは判断として他に対する優越性を有ち――
実名論はその一つの現われである――、又他に対する構成性を有つ――汎論理主義はその....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
心掛けだけは」 小屋の方へ二人は歩いて行った。 源太夫というのは通名で、彼の
実名は熊五郎であった。親方には実の甥で、紫錦とは従兄弟にあたっていた。 その翌....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
前、弟七郎兵衛、遊女かしく、三人同時に斬られたのである。訴え人は駕籠屋重右衛門。
実名船越重右衛門と云えば阿波の大守蜂須賀侯家中で勘定方をしていた人物、剣道無類の....
「妖怪学」より 著者:井上円了
りて、その強く盛んなるを表する一種の縁起なり。いにしえより、わが国には名字拝領、
実名拝領ということ多く行われたるが、特に芸人社会には、現今にても行わるることなり....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
するを識覚せざるがごとし。余がかつて経験するところによるに、ある人の苗字を知りて
実名を忘れたることあり。そのとき、なにほどこれを考うるも想出することあたわざりし....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
と特有名称教育の二種あり。特有名称教育とは、父母その子に虎吉とか竜五郎とかいえる
実名を与うるときは、その子自然に勇猛活発の人となり、直吉とか順二郎とかいえる
実名....
「法然行伝」より 著者:中里介山
たのは誠にこれ法然道理の聖《ひじり》であると慈眼房叡空は随喜して、法然房と号し、
実名は最初の師源光の上の名と叡空の下の字をとって源空と名をつけられた。 こうし....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
でも有名である。 兎が立ち上ると、すぐ狸が立ち上った。狸は大坂曳船会社の社長で
実名を桜島安五郎と言う。狸と言われる理由は二枚舌文部大臣中橋徳五郎の真似をして、....
「春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
、此の如き臆測を容れる余地が無いとも思われない。現に此書の末尾には春水事長次郎と
実名が出て居るから、二代目春水などの作と見ることは出来ない訳である。即ち此書は大....