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実地
「実地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
実地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
》にいた時分、葡萄牙《ポルトガル》の船の医者に、究理の学問を教わりました。それを
実地に役立てさえすれば、大きい錠前を※《ね》じ切ったり、重い閂《かんぬき》を外し....
「星座」より 著者:有島武郎
もありあまっていることならとにかく、さもなければ学問はまあ常識程度にしておいて、
実地の方を小さい時から仕込むに限りまっさ』とこうだ」
そして惘《あき》れはてた....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
にある程度以上動きのある場合には、演出者は必ず一度俳優の位置に自分の身を置いて、
実地に動いて見るがよい。それは人に見せるためではない。そのおもなる目的は俳優に無....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
よ」という俗謡が流行った。電灯が試験的に点火されても一時間に十度も二十度も消えて
実地の役に立つものとは誰も思わなかった。電話というものは唯実験室内にのみ研究され....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
「そりゃ私だろう。掛引のない処。お前にも話した事があるほどだし、その時の祭の踊を
実地に見たのは、私だから。」 「ですが、こればかりはお前さんのせいともいえません....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
すると、どうしていいか、それは、学者でも、教育家でも、たとえばお寺の坊さんでも、
実地に当ると、八衢に前途が岐れて、道しるべをする事はむずかしい……世の中になった....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
りては、亡弟も可なり慎重な態度を採り。霊告による祠の所在地、並に其の修行場などを
実地に踏査する等、いよいよ其の架空的にあらざる事を確かめたる後、始めて之を雑誌に....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
として見てもイイかも知れない。 (『八犬伝』の地理学は起稿当初の腹案であったが、
実地を踏査しなければ解らぬ個処が存外多いのですべて他日の機会に譲ることにした。『....
「花筐と岩倉村」より 著者:上村松園
居振舞を数日眺めて来たことが根底の参考となったことを思うと、何事も見極わめる――
実地に見極わめることが、もっとも大切なのではなかろうかと思う。 まして、芸術上....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
るを聞けりとぞ。 修羅の巷を行くものの、魔界の姿見るがごとし。この種の事は自分
実地に出あいて、見も聞きもしたる人他国にも間々あらんと思う。われ等もしばしば伝え....
「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
れたき旨申し送られたり。よって、予はともかくもその招きに応じてかの地に至り、一応
実地に取り調べたる上、いかんともこれが鑑定を試みんと決心せり。(未完) かくて....
「絵筆に描き残す亡びゆく美しさ」より 著者:上村松園
しておきたいと思います。自分で描いておかないと、後から生れた人は絵では見ていても
実地に見てきたのではないから、もう一つというところが描けないでしょう。舞妓はやは....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
むべからざるも、諺に「百聞一見にしかず」というが、余は「百読一見にしかず」と思い
実地見聞の必要を認め、にわかに旅装を整え、まず豪州に向かいて発程す。本邦を去るに....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
を両院議長に出したが、それは、われわれがかねて考えていたことを、アメリカに行って
実地を見て来て確認したという形で理屈においてそう変ったことはない。日本にいても、....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
ついてはどう思う? 僕は別に医者を変える気もないが、しかしフェーリングはあまりに
実地家過ぎるので、書物を読んで大いに説を新しくしてゆくという所がない。――シュミ....