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実感
「実感〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
実感の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
を男も女も同じ程度にきびしく感ずるものかどうかは知らない。しかしながら葉子自身の
実感からいうと、なんといってもたとえようもなくその愛着は深かった。葉子は定子を見....
「片信」より 著者:有島武郎
産に等しい第四階級の多分の人々の感情にまではいりこむことができるだろうか。それを
実感的にひしひしと誤りなく感ずることができるだろうか。そして私の思うところによれ....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
仮想したら、(その芸術家はそんなことを主張するはずはないけれども)あるいはそれは
実感として私の頭に響くかもしれない。しかしながら広津氏の筆によって教えられること....
「星座」より 著者:有島武郎
される自分がこの上もなくみじめだった。その不幸な気持には、おぬいが不断感じている
実感が残りなく織りこまれていた。もし万一母を失うようなことがあったらどうしようと....
「想片」より 著者:有島武郎
然と依頼しているのが発見されるだろう。彼が現在に本当に立ち上がって、その生命に充
実感を得ようとするならば、物的環境はこばみえざる内容となってその人の生命の中に摂....
「弓町より」より 著者:石川啄木
た。自分でそのころの詩作上の態度を振返ってみて、一ついいたいことがある。それは、
実感を詩に歌うまでには、ずいぶん煩瑣《はんさ》な手続を要したということである。た....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
と思われるべき私の生活が幾百日か続いた後、私は或る決心を以て神の懐に飛び入ったと
実感のように空想した。弱さの醜さよ。私はこの大事を見事に空想的に実行していた。 ....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
ムの中の鬼気人に迫る物凄じさはドームへ入ったことのある者のみが、知り能うところの
実感だ。そこには恐しく背の高い半球状の天井がある。天井の壁も鼠色にぬりつぶされて....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
替りをはめて元のようになるわけだ。もっともこの春山さんは、赤インキなども用意して
実感を出して下さったようだが、とにかくお前がピストルと別れてくれたことはおれも嬉....
「橋」より 著者:池谷信三郎
う書くのかさえも、彼は知らなかった。どうして彼女と識り合ったのかさえ、もう彼には
実感がなかった。 2 夜が都会を包んでいた。新聞社の屋上庭園には、夜....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
います。 四百|年も以前のことで、大変記憶は薄らぎましたが、ざっと私のその時の
実感を述べますると――何よりも先ず目立って感じられるのは、気がだんだん遠くなって....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
魄には実際彼が口でいうとおり実行しかねまじき、あるいはすでに実行してきたような切
実感があつて聞くものをすさまじく圧倒した。 私はこのおやじに会うまでは性に関す....
「思い」より 著者:伊丹万作
業者の問題など、知識として概念的には心得ていたが、いま自分自身が波の中に置かれた
実感にくらべると、今まで何も感じていなかつたとしかいえない。このように多くの人間....
「人間山中貞雄」より 著者:伊丹万作
るだろう。しかし我々はもはやふたたび山中の笑顔を見ることができないということは、
実感として何か非常に不思議なできごとのように思われてならない。それは我々を悲しま....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ったが、我らは恐らくその母親が死んだのだろうと話しあったのであった。 石川君の
実感を詳しく聴くと、掛江教官の四元に住むものとして幽霊の事が何だかよく当てはまる....