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実歴
「実歴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
実歴の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
行って、草も木もない高い所から、遥《はるか》の麓を指さしながら、自分の従軍当時の
実歴譚《じつれきだん》をことごとく語って聞かせてくれた人である。始め佐藤から砲台....
「銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
た。伊藤痴遊であったかと思う、若いのに漆黒の頬髯をはやした新講談師が、維新時代の
実歴談を話して聞かせているうちに、偶然自分と同姓の人物の話が出て来た。Sが笑い出....
「呉秀三先生」より 著者:斎藤茂吉
云ヘルモ亦然リ。整然タル休養ヲナシツツ絶エズ習練スルコト最モ須要ナリ。知覚ノ能ハ
実歴親験ノ重ナルニ随ヒテ長ジ、記憶ノ能ハ同一ノ観像ヲ屡反復スルニヨリテ長ジ、弁別....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
、多少手加減をするからで、造酒の方が技倆は上であった。定吉に至ると剣道学者で、故
実歴史には通じていたが、剣技はずっと落ちていた。 由来造酒は尾張国、清洲在の郷....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
し送り、人世を以て学校とすれば書冊の学校へ入らずも御心配あるなと、例の空想に聊か
実歴したる着実らしき事を交えて書送りたり。折返して今度は伯父よりの手紙に、学資を....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
と見ればその俳句平易高雅、奇を衒《げん》せず、新を求めず、ことごとく自己が境涯の
実歴ならざるはなし。二人は実に両極端を行きて毫も相似たるものあらず、これまた蕪村....
「山の人生」より 著者:柳田国男
て、観ていた様子を語るには都合がよかった。だから、一時的には吾は海尊と名乗って、
実歴風に処々の合戦や旅行を説くことは、いずれの盲法師も昔は通例であったかと思うが....
「あの世の入口」より 著者:知里真志保
洞穴から下界の国へ迷いこんで帰ってから村人にいちぶしじゅうを物語る、いわば一種の
実歴談として信じられているという。 私はほんとうにえらい首領で、何不足ない暮ら....