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「実物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

実物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
告よりもお松|宛《あて》の遺書に譲ることにしましょう。もっともわたしの写したのは実物の遺書ではありません。しかしわたしの宿の主人が切抜帖《きりぬきちょう》に貼《....
恐竜艇の冒険」より 著者:海野十三
、世界ホテルというのに、ぼくとサムは宿泊することになった。名はすごいホテルだが、実物はやすぶしんの小屋をすこし広くしたようなものであった。ただ、縁《えん》の下だ....
宇宙女囚第一号」より 著者:海野十三
、もう一つ立体組成電子機の縮図だ。わしは十五年かかって、この器械を発明し、そして実物をつくりあげたのだ」 「なんです、この立体分解とか立体組成とかいうのは」 「....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
弾と焼夷弾を市街に投下し、二千戸を焼いたという。 ◯B29の爆音が放送されたが、実物とちがう事甚だしく、参考にするには骨が折れる。 一月八日 ◯去ル五日ニ気ガ....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
浮雕を撮影した全紙の玻璃版で、極めて緻密なる細部の雕刻までを鮮明に現わして殆んど実物を髣髴せしめた。後者は印度文明の揺籃地に関する最新の発見報告であって、其発堀....
海底都市」より 著者:海野十三
、自分の頭の悪さに赤面《せきめん》することは、しばしばあった。 「さあお客さん。実物を見た方が早わかりがしますよ。あれをごらんなさい。ぐんぐんと向こうへ押し込ま....
金属人間」より 著者:海野十三
計まではしておいたのであるが、「生きている金属」を作る研究の方をいそいだあまり、実物はまだ作っていなかった。その後、金属Qがあばれるようになって、博士はかくれて....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
ことは、いよいよあきらかとなった。 怪物の死骸は、現場で立体写真におさめられ、実物と寸分ちがわない模型を作りあげる仕事が進められた。それからこの怪物のからだに....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
初、的をつくります時、縫がものさしを取って、革鞄の寸法を的に切りましたが、ここで実物を拝見しますと、その大さと言い、錠前のある位置と言い、ほとんど寸分の違いもあ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
爺さんは私が先刻霊眼で見た一人の老人を連れて再びそこへ現われました。 『何うじゃ実物を視てもまだ判らんかナ。――これは汝のお馴染の爺や……数間の爺やじゃ……。』....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
こんどはわかったろう。……まだわからないのか……済度しがたい奴だなあ。じゃ青島、実物でやって見せるよりしかたがない、あれを持ち込もう。 花田と青島、黒布に被われ....
余齢初旅」より 著者:上村松園
色になっている。仇英の描く群青や緑青、また斑をもったきれいな苔を生じた太湖石は、実物をみて大いにこれを美化したものであることがわかった。実際の太湖石は南画の花鳥....
虹と感興」より 著者:上村松園
たところで、到底最初のようなものが出来るわけはありませんから、ついお話しだけで、実物は出来ずじまいになっておるようなわけです。 ですから、二度めの感興などは、....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
讃美される。露骨に言えば、しきりに註文され、よく売れる。思うままの地金を使って、実物の大さ、姫瓜、烏瓜ぐらいなのから、小さなのは蚕豆なるまで、品には、床の置もの....
北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
太陽を見出した。私は顔も洗わずに天文学に委しい教授の処に駈けつけた。教授も始めて実物を見るといって、私を二階窓に案内してくれた。やがて太陽は縦に三つになった。而....