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実生
「実生〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
実生の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
だけなんだ。――僕はつらつらそう思ったね。これは人生の象徴だ。我々は皆同じように
実生活の木馬に乗せられているから、時たま『幸福』にめぐり遇っても、掴《つか》まえ....
「葱」より 著者:芥川竜之介
必要な、台所道具が並んでいる。その台所道具の象徴する、世智辛《せちがら》い東京の
実生活は、何度|今日《きょう》までにお君さんへ迫害を加えたか知れなかった。が、落....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
のを承知しながら。
或悪魔主義者
彼は悪魔主義の詩人だった。が、勿論
実生活の上では安全地帯の外に出ることはたった一度だけで懲《こ》り懲《ご》りしてし....
「或る女」より 著者:有島武郎
この交際社会でも風俗では米国人を笑わせない事ができる。歓楽でも哀傷でもしっくりと
実生活の中に織り込まれているような生活がそこにはあるに違いない。女のチャームとい....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
一の種類に属する人は、その人の生活全部が純粋な芸術境に没入している人で、その人の
実生活は、周囲とどんな間隔があろうと、いっこうそれを気にしない。そうして自己独得....
「宣言一つ」より 著者:有島武郎
思想と
実生活とが融合した、そこから生ずる現象――その現象はいつでも人間生活の統一を最も....
「弓町より」より 著者:石川啄木
っていく私の耳にも響かずにはいなかった。空想文学に対する倦厭《けんえん》の情と、
実生活から獲《え》た多少の経験とは、やがて私しにもその新らしい運動の精神を享入《....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
がないと思っている。しかし実際では決してそうは行かない。芸術の神聖を信じ、芸術が
実生活の上に玉座を占むべきものであるのを疑わない君も、その事がらが君自身に関係し....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
間を通り越して、初めて永遠の肯定の門口に立つことが出来るようになった。 お前の
実生活にもその影響がない訳ではない。これからのお前は必然によって動いて、無理算段....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
のだろうと思われるが、一度しみ込んだ悪風は容易に除かれないものである。 ○俳優は
実生活では軽い化粧カバンさえ持つのをいやがって弟子と称するものに持たせるくせに演....
「わがまま」より 著者:伊藤野枝
映りまた考える程正直なものでも真面目なものでもなかった。生活ということ――ことに
実生活を豊かにする事のためには、悪がしこい叔父の智慧と敏捷な挙動は最大の利器であ....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
菊池の方が、余計苦労をしているからだろうと思う。だからもっと卑近な場合にしても、
実生活上の問題を相談すると、誰よりも菊池がこっちの身になって、いろ/\考をまとめ....
「久米正雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
久米は官能の鋭敏な田舎者です。 書くものばかりじゃありません。
実生活上の趣味でも田舎者らしい所は沢山あります。それでいて官能だけは、好い加減な....
「カタカナニツイテ」より 著者:伊丹万作
年ノ間カエリミラレルコトガナカツタ。毛筆ニ乏シク、和紙ガ皆無ニチカイ今日ノ我々ノ
実生活(趣味生活ハ問題外)ノドコヲ探シテモモハヤヒラガナニ未練ヲノコス理由ヲ発見....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
育のためである。教育は子弟の能力によらず父兄の財力に応じて行なわれる。その教育は
実生活と遊離して空論の人を造り、その人は柔弱で鍛錬されておらない。勇気がない。勤....