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実見
「実見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
実見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
らず、全く日清戦争中戦場にて負いたる創口が、再《ふたたび》、破れたるものにして、
実見者の談によれば、格闘中同人が卓子《テエブル》と共に顛倒するや否や、首は俄然|....
「大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
吉の案内で天守に上った時の感想には、「大天守は八重にて候、|不候」とある。だが、
実見者の大阪落城絵図では、外見五重になっているから、外見五重で内部は八重になって....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
的降服は軽率であった。尤も家康なんかの斡旋を頼りにして居たのだろうが、家康は其の
実見捨ての神だ。北条家の肩をもって余計な口をきき、秀吉の嫌疑を受けるのを極度に戒....
「少年と海」より 著者:加能作次郎
が荒れる、船が難破する、そして人が死ぬ。」 こんな考が、村の人達の話や、自分の
実見やらで、いつの間にか為吉の頭に出来あがっているのでした。つい一カ月ばかり前に....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
肯定をなさるんなら、私が是非話したい事があるのです。現在、しかもこの土地で、私が
実見した事実ですがね。余り突拍子がないようですから――実はまだ、誰にも饒舌りませ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ていたことがある。夾竹桃である。鶴見は明治二十五年の夏になって、はじめて夾竹桃を
実見した。ところは沼津の志下で、そこに某侯爵の別荘があった。引きめぐらした伊豆石....
「因果」より 著者:小山内薫
俳優というものは、如何いうものか、こういう談を沢山に持っている、これも或俳優が
実見した談だ。 今から最早十|数年前、その俳優が、地方を巡業して、加賀の金沢市....
「女の膝」より 著者:小山内薫
私の
実見は、唯のこれが一度だが、実際にいやだった、それは曾て、麹町三番町に住んでいた....
「妖怪談」より 著者:井上円了
書かれてあるものがありまして、聞けばいかにも不思議そうでありますから、余もこれを
実見してみたいと思いましたが、なにぶんにもウエド氏は今、他出前のことでありました....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
郎の黒主、菊五郎の墨染――それらを単に巧かったとか面白かったとか言っても、それを
実見しない人たちにはおそらく想像が付くまい。わたしもそれを説明するに適当の言葉を....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
山に登らん者は、水泳を心得ざるべからずとは、余の常に説く所なるが、今塩谷氏の例を
実見して、ますます余の言の人を誤らざるを知れり。 二 大雪山の第一夜 ....
「火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
の狭い石室中に、二人分の骨が背を向け合して並べられてあった。その後自分もその壙を
実見して、とても屍体二個を並べえぬものだとその場で評したことであった。これは最極....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ういうかも知れないが、私の通った地方では決してそんな事はない。ある西洋人は自分が
実見せずにチベット人の嘘を聞いて、チベットではこれこれだと書くものですからそんな....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
棋、茶の湯、挿花等)、外国人のいまだその用を知らざるものも、内地に来たりてこれを
実見するときは、その風を西洋に伝うるに至ること。第四に、日本の内地の改良すなわち....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
の図書は立派な戦史書である。一家の主婦すら相当に軍事的知識を持っていることは私の
実見せるところである。 (昭和十五年十二月三十一日) 東西古今、総ての聖賢の共....