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「実費〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

実費の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
未帰還の友に」より 著者:太宰治
晩酌用のウィスキイを、わけてあげます。お金は、こんなにたくさん要《い》りません。実費でわけてあげます。そのウィスキイは、私は誰にも飲ませたくないから、ここに隠し....
ロマネスク」より 著者:太宰治
ども黄村先生は書生たちの経済力を考慮し直接に支那へ注文して下さることと相成った。実費十五円八十銭である。この機を逃がすならば少しの損をするゆえ早速に申し込もうと....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
配した。がその心配より先に柳吉は病気になった。まえまえから胃腸が悪いと二ツ井戸の実費医院《じっぴ》へ通い通いしていたが、こんどは尿《にょう》に血がまじって小便す....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
が閃いた。炭団代を豹一に払わせるのだ。今まで費した金ばかりに気をとられていて、「実費」を支払わせることが思いつかなかったのは、なんとしたことかと、安二郎は自分の....
わが町」より 著者:織田作之助
なった。もうせんから柳吉はげてもの料理を食べ過ぎたせいか胃腸が悪くて、二ツ井戸の実費医院へ通い通いしていたが、こんどは尿に血がまじって、小用の時泣声を立てた。実....
面白き二個の広告」より 著者:堺利彦
ば官吏、学生、紳士、粋人と称せらるる(あるいは自ら称する)人々の間に、三分の一の実費をもって一見毫も他に劣らざる風体をなさんとするの欲望あることを察しうべし。彼....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
、予定の二千円のやっと半額程度しか集まらず、製作者津上氏が自弁していた銅像建設の実費を弁償し得た以上には、ほとんど謝礼らしい謝礼すら出来ないという窮況に陥ってし....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
て広告に※入し、往昔徳川将軍家御用であった天下一品の新兵衛餅百俵を、表記買入れの実費をもって予約販売致します。但し予約期限は十二月十五日限り、それ以後は時の相場....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ためにまわす。この二回以外にたって配達してくれという場合や遠方の配達に対しては、実費として電車賃往復十四銭をいただくことにしている。よく宮家からも御注文をいただ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
目的は見学と交歓、日時は今度の土曜の午後一時から夜八時まで、夕食をともにするが、実費は先方の分は先方で負担する、プログラムは当方に一任、ただし、意見|交換の時間....
光は影を」より 著者:岸田国士
彼の熱意に動かされて、無償で良種の種蜂を数群分けてくれ、その上、必要な器具材料を実費で供給してくれることになつていた。 こうして、六月にはいると、住居の手入れ....
能面の秘密」より 著者:坂口安吾
いうのが奥さんがぼくに半年以上も交渉させて何度か現地まで人を案内しているのにその実費以外にお礼にくれたのがなんと五万円ですよ。思ったよりも売値がわるかったので怒....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
各支店へ戸棚二個、欅吊看板二枚、紙張横額二枚、金屏風半双を送付する。よって、その実費として、二百円送金すべし。その代り、百円分の薬を無代進呈する。 ……いきな....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
受けた。 その次は魚籃観音を一体、それから三聖人(三つ一組)を彫った。これらも実費だけを受け、決して余計な報酬を得ようとはしなかった。それで沢田は気の毒がって....
明治時代の湯屋」より 著者:岡本綺堂
みな相応の見栄があるから、こういう時には案外の寄附金が集まって、番頭は留桶新調の実費以外に相当の収入があったという。 留桶新調のほかに、留桶を毎日使用している....