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客体
「客体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
客体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
き」が、単に意味としての客観性を有するのみならず、趣味として価値判断の主体および
客体となることが暗示されたと思う。その結果として我々は、「いき」を或る趣味体系の....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
スト教の立場から云えば会心のことかも知れませんが、国家の刑罰機関の役員が、刑罰の
客体から、説教を受けるなどに至っては、寧ろ醜体ではありますまいか。 坂下鶴吉が....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
、そういう自然は本当の自然のほんの常識的な一部分に過ぎない。本当の自然はその内に
客体と主体との対立の統一を含んでいる。その意味から云うと自然の内には精神が含まれ....
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
って、いつも個人化され得る。その意味でなら、客観的な道徳も常に主観化され得るし、
客体的な道徳も必ず主体化され得る。――だが社会に対するこの個人、又或る意味で(後....
「読書法」より 著者:戸坂潤
後者に関しては合理化の問題が取上げられているが、主体にぞくするこの衝動や欲望と、
客体的な経済組織におけるこの合理化との連絡は、一寸見当らないように思われる。自然....
「科学論」より 著者:戸坂潤
生した処の一関係なのだ。 さてこうしてお互いの対立を発生せしめられた存在(物・
客体的実在)と意識(心・主観)とであるから、意識ある自然が他の自然界から分裂する....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
現象する形式(現象形式)、即ち又吾々が物の現象を直観する形式である。それは客観=
客体にぞくするのではなくて、吾々の主観にぞくする。ライプニツ(†1716)はこう....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
対象である。肯定せんと欲する対象である。価値なのだ。価値というからには価値感情の
客体であらざるを得ない。すれば真理は意志感情の目標になるわけだが、処が之が「認識....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
然としての特性、つまり人間に先んじて成立しているという特性、を見事に剥脱されて、
客体的である代りに、まさに主体的であるものにまで、変貌させられてしまう。こうした....
「辞典」より 著者:戸坂潤
なければならぬことを少しもまだ自覚していない。イデアこそ却って世界の彼岸に存する
客体であると考えられた。イデア・観念を主観にまで結び付けたものは(多くの変遷を辿....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
、それは映画事業に関聯してではなく、遺産相続という恥ずべき、けれど甘い法律手続の
客体としてではなかったでしょうか。全く現在の私は、先月亡くなった父将軍の預金通帳....
「哲学入門」より 著者:三木清
、むしろ汝の性格において我に対している。汝は我に対して独立なものである、客観とか
客体とかといわれるのも、それが主体から全く独立なものであることを意味している。行....
「性格としての空間」より 著者:戸坂潤
空間ではないが空間に就いての判断であるというかも知れない。けれども元来空間が何か
客体として――カントの物自体――あるとは考えられない。空間は云わば或る一つの認識....
「解釈学と修辞学」より 著者:三木清
は物でなくて行為である。ただアリストテレスは行為を十分主体的に捉えず、なお対象的
客体的に見た。そのために彼は、行為は必然的なものでなくて大抵そうあるものであり、....
「マルクス主義と唯物論」より 著者:三木清
にある。けれど実際には世界は、それが意志の、存在に対する、また所有に対する意志の
客体であるの故をもってのみ、もともとはじめて、悟性の
客体なのである*。」心の外に....