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「客室〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

客室の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
くほくそ笑《え》んだ。ちょうどそこに倉地が切符を買って来かかっていた。 一等の客室には他に二三人の客がいるばかりだった。田川夫人以下の人たちはだれかの見送りか....
婦系図」より 著者:泉鏡花
夫人は快活に吻々と笑う。 この談話は、主税が立続けに巻煙草を燻らす間に、食堂と客室とに挟まった、その幅狭な休憩室に、差向いでされたので。 椅子と椅子と間が真....
白妖」より 著者:大阪圭吉
表門が開け放されているのをみつけると、なんて物好きなお客さまだろうと思いながら、客室の扉を開けてみたのだが、開けてみてそこのベッドの横にパジャマのままの押山が、....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
六十里の化成寺という寺に泊まった。 その夜、住職をたずねると、僧は彼にむかって客室の怪を語った。 「昨年のことでございます。ひとりのお客人が客室にお泊まりにな....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
翌二十四日の朝、巡査に送られて裁判所の留置場へ行った。 「グラン・サロン(大客室《だいきゃくま》)へ!」 と言われたので、どんなサロンかと思って巡査につい....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
た。彼は欧州大戦のときの空の勇士の一人として有名な人物だった。 太刀川が入った客室には、二十四人の座席があった。彼が座席番号によって、自分の席をさがしていると....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
緩やかに回転するにつれて、眼下に雄大な眺望が繰り広げられて行くのだった。が、その客室のうちに、一つだけ美麗な紅色に塗られたのがあって、それが一等車になっていた。....
花束の虫」より 著者:大阪圭吉
全然手が付けてないので、東京へは明朝夫人と一緒に引挙げる事にして、二人とも別荘の客室へ一泊する事になった。 梟山の検証で、推理がハタと行詰ったかの様にあれなり....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
一画を調べたりした。 艙蓋の下の室から機関室に行き、それから以前八住が殺された客室に入って行ったが、そうしているのは、ちょうど知られない世界に入ってでもゆくか....
南極の怪事」より 著者:押川春浪
船長の拒むをしいて、二百ドルの金貨を握らせ、ようやく便乗を許されしなり。もとより客室など云う気のきいたものはなければ、余は船の最も底の倉庫のごとき処に毛布を敷き....
暗号数字」より 著者:海野十三
は横浜駅のホームを離れ、次の停車駅大船までぐんぐんスピードをあげてゆきつつある。客室内は、がらんとすいていた。時間が時間だから、こんな鈍行列車の二等に乗る客は少....
旅客機事件」より 著者:大庭武年
重役風の紳士が、Bの座席に商人風の男が坐っていたのである)。そして、窮屈な扉から客室の方へもぐり降りて行った。 山、河、谷、原……それから十分はたっぷりかかっ....
西航日録」より 著者:井上円了
にして、トン数二万一千トンと称し、その長さ百二十間、その幅十八間の大船なり。上等客室三百七十七ありて、総人員千五百四十六人の定員なれば、あたかも一船中に一町村を....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
ワイトスター汽船ペルシック号に投乗す。同号は一万千九百七十四トンの巨舶なれども、客室は一等、二等なく、ただ三等あるのみ。室数は九十四号まであり、一室中に四人また....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
てつだわせて、おかみさんはせっせと食事のしたくをした。 スープ皿、コップなどを客室にはこんで、食卓のよういをととのえた。暖炉の火はさかんにもえて、ぱちぱちと音....