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客用
「客用〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
客用の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「花燭」より 著者:太宰治
気ある態度を、ひそかにほめて、少しうっとりして、それから駅のまえの煙草屋から訪問
客用のバットを十個買い求めた。こんな男は、自分をあらわに罵《ののし》る人に心服し....
「疲労」より 著者:国木田独歩
京橋区|三十間堀《さんじっけんぼり》に大来館《たいらいかん》という宿屋がある、まず上等の部類で客はみな紳士紳商、電話は
客用と店用と二種かけているくらいで、年じゅう十二三人から三十人までの客があるとの....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
みの場合を予想し、人夫の用意から道橋の修繕までを心がける必要があった。各宿とも旅
客用の夜具|蒲団、膳椀の類を取り調べ、至急その数を書き上ぐべきよしの回状をも手に....
「斜陽」より 著者:太宰治
三畳がついていて、それから食堂とお勝手と、それからお二階に大きいベッドの附いた来
客用の洋間が一間、それだけの間数だけれども、私たち二人、いや、直治が帰って三人に....
「帰去来」より 著者:太宰治
んな事を聞くひとがありますか。」 私は立って、廊下へ出た。廊下の突き当りに、お
客用のお便所がある事は私も知ってはいたのだが、長兄の留守に、勝手に家の中を知った....
「ねずみと猫」より 著者:寺田寅彦
ずみのいたずらはその間にも続いていた。とうとう二階の押し入れの襖を食い破って、来
客用に備えてあるいちばんいい夜具に大きな穴をあけているのを発見したりした。もう子....
「錯覚数題」より 著者:寺田寅彦
い前の懸崖作りはもう少しリベラリスティックな枝ぶりを見せていたようである。 来
客用の団扇を買おうと思って、あちこち物色してみて気のついたことは、われらの昔ふう....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
が、全く人の気配がないと見て、思い切って縁側から上って行った。そして、次の間の、
客用の夜具を入れてある押入をあけて、すばやくその中にもぐりこんでしまった。 絹....
「出家物語」より 著者:坂口安吾
も知れないわ」 と云って別れた。 二三日うち、四五日うち、待つ身のつらさ。お
客用の猫モツの代りにマグロの刺身だの肉鍋などを用意して、屋台にいても、女の通る姿....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
んなことを呟いて、由也の寝室の入口まで泥の跡をたどって、みんなキレイにふいた。来
客用のお座敷の次が仏間、それから由也の部屋だ。ところが、座敷の床の間の青磁の花瓶....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
、間もなく茶の間の方に行った。 茶の間には、もうあかあかと電燈がともって居り、
客用のお膳がいくつも用意されていた。 彼は、火鉢のそばに坐ってそれを見ているう....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
から、女の子が男の子を軽蔑するのはムリがないようなフシもあるね。便所へ立ったら、
客用の便所は修理中使用禁止とあり、楽屋の便所を使う仕組みになっている。ダンサーの....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
けれども、まず当って見ない分には容子も分らないので、そんなに入用でもない番茶やお
客用の茶などを買いまして、店先に腰を掛け、そろそろその狆を褒め出したものです。可....
「挿話」より 著者:徳田秋声
いたので、夜の散歩には、どうかするとセルに袷羽織を引っかけて出るほどで、道太はお
客用の褞袍を借りて着たりしていたが、その日はやはり帷子でも汗をかくくらいであった....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
橋屋などがそれである。だが私には甘い物はあまり用がない。ただ家内が、子供用又は来
客用としてその時々の気持次第で以上の諸店で用を足しているまでだが、相馬屋と、もう....