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客種
「客種〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
客種の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
りに小さな関東煮の店が売りに出ていた。現在年寄夫婦が商売しているのだが、土地柄、
客種が柄悪く荒っぽいので、大人《おとな》しい女子衆《おなごし》は続かず、といって....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
とあまり変らない。車台の数も多く、盛にブーブーやっている。人も相当に乗っている。
客種はズッと落ちる。 あんまりこれでは不体裁な上に収支相償わぬからと、市で廃止....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
、巴里のモンパルナスのキャフェをまざまざと想い浮べることは、店の設備の上からも、
客種の違いからも、随分無理な心理の働かせ方なのだが、かの女のロマン性にかかるとそ....
「わが町」より 著者:織田作之助
に小さな関東煮の店が売りに出ていた。 現在年寄夫婦が商売しているのだが、士地柄
客種が柄悪く荒っぽいので、おとなしい女中はつづかず、といって気性の強い女はこちら....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
斯ういう事は矢張り女が宜いよ」 下婢「其様なことを云わずに往っておくれよ」 鎌「
客種が悪い筋だ、何かごたつこうとして居る機みだから、どうも仕様がない」 下婢ど....
「縮図」より 著者:徳田秋声
え、均平は無意識にその中から知った顔を物色するように、瞬間視線を配ったが、ここも
客種がかわっていて、何かしら屈托のなさそうな時代の溌剌さがあった。 「いかがです....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
はことごとく文学者、画家、記者といったようなインテリ階級の人たちばかりであった。
客種は開業当時と全然一変していた。しかしその間にも、たまには彼女のクルベー以前、....
「足迹」より 著者:徳田秋声
あると言って、浅草の方から葉書で知らせて来た。先方は食物屋で、家は小さいけれど、
客種のいいということは前からもお鳥に聞かされていた。それに忙しいには忙しいが芸者....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て薬の利き目が薄いのは癪《しゃく》だが、それにしても御方便に、おれの持場はみんな
客種が上等で仕合せだ」 提灯《ちょうちん》を持って、眠い眼をこすりながら立ち上....
「刻々」より 著者:宮本百合子
く手先につれて彼方此方《あっちこっち》しながら、 「この一二年、めっきり留置場の
客種も下ったなア」 と、感慨ありげに云った。 「もとは、滅多に留置場へなんか入っ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
、あわただしさ――こうなるともう普通の待合室と何らの変りもない空の停車場だ。ただ
客種がよく、あらゆる設備がはるかにモダンで grand luxe なだけだ。が、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いて、講釈そのものには興味は催さなかったが、さて、この土地の席亭の模様はいかに、
客種はいかに、講釈といううちにも一枚看板でやるのか、また色物か、真打《しんうち》....
「握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
義介翁が後援して近代感覚の素晴らしい店構えを作っている。それがために、従来にない
客種をそろえて寿司王を思わせている。また再興した新富寿司本店も今までに見られない....
「世間師」より 著者:小栗風葉
屋てえのと三州屋てえのと二軒あるよ。こっちから行くと先のが山本屋で、山本屋の方が
客種がいいって話だから、そっちへお行でなせい。」 言いおいて、そのまま車夫は行....
「池袋の店」より 著者:山之口貘
旧武蔵野線を利用しているので、つい「小山珈琲店」に寄るのだが、模様変えしてからの
客種の増えたことにはおどろいているのである。筆者の舌など、珈琲の味のわかる舌では....