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客船
「客船〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
客船の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
のですよ――」
牧野は思出したように、折に触れてそれを岸本に言った。船は定期の
客船としてより寧《むし》ろ戦時に際しての貨物船と言うべき形で、三方の甲板に分れた....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ない国の話をしはじめた。 「折竹さん、あなたは五年ほどまえ北極探検用として、潜水
客船というのを考案したミュンツァ博士をご存知ですか」 「知っています。じゃ、おな....
「家」より 著者:島崎藤村
汽の出るところまで、一緒に歩いて、そこで正太の方は厩橋行に乗った。白いペンキ塗の
客船が石炭を焚く船に引かれて出て行くまで、三吉は鉄橋の畔に佇立んでいた。 笑っ....
「道標」より 著者:宮本百合子
幾度かつたわっていた。どこかの海で、国際的な注目のもとに第一次大戦当時沈没した旅
客船のひきあげに成功して有名になった潜水業者であった。
権田正助は、自分を自分....
「労働者の居ない船」より 著者:葉山嘉樹
た。 こんな風だったから、瀬戸内海などを航行する時、後ろから追い抜こうとする旅
客船や、前方から来る汽船や、帆船など、第三金時丸を見ると、厄病神にでも出会ったよ....
「中条精一郎の「家信抄」まえがきおよび註」より 著者:宮本百合子
は英語でニッポン、ユーセンカイシャ、S・Sビンゴマルと書かれた今日で見れば小さい
客船の写真がある。凡そ二十年ほど後に、父は再びこの運河を、このハガキに所謂我妹子....
「道化役」より 著者:豊島与志雄
村尾庄司が突然行方をくらましてから、一年ほどたって、島村陽一は意外なところで彼に出会った。島村は大川を上下する小さな
客船が好きで、むかし一銭蒸汽と云われていた頃には、わざわざ散歩の途をその船の中ま....
「グロリア・スコット号」より 著者:ドイルアーサー・コナン
救助された。その船はオーストラリヤにむけて航海中のもので、船長は私達が難船した旅
客船の残存者であると云う言葉を難なく信じてくれた。運送船グロリア・スコット号は航....
「ヤトラカン・サミ博士の椅子」より 著者:牧逸馬
クリフォード卿《きょう》によれば「東洋のチャーリン・クロス」でもあった。各会社大
客船の寄港地。貨物船による物資の集散。濠州《ごうしゅう》、あふりか、支那《しな》....
「決闘」より 著者:神西清
往来へ出た。暗かった。汽船が一艘いましがた着いたところだ。燈の様子で見ると大きな
客船らしい。……ごろごろと錨鎖の音がする。岸からその船をめがけて走って行く一点の....
「沈黙の水平線」より 著者:牧逸馬
に呑まれ去った例は、古来、かなりある。が、この行方不明船のなかでも、ここに述べる
客船ワラタ号 The S.S Waratah の運命は、比較的近頃の出来事であり....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
。 2 何んなことがあっても決して沈みはしないと皆信じ切っていた。世界第一の超
客船タイタニック号が愈いよ沈みかけたと知った時、そして、全人員の半分――それも無....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
そこで、その一条の物語というのを書卸すのだがね。竜神松五郎が房州沖で、江戸へ行く
客船を脅かして、乗組残らず叩殺したが、中に未だ産れ立の赤ン坊がいた。松五郎の様な....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
視察は開港場だけにとどむることに決定せり。喜望峰より南米に渡らんとするに、直航の
客船なきをもって、やむをえず英国を経由することに定め、豪州より乗船せるペルシック....
「黒船前後」より 著者:服部之総
補助金が加わってはじめて算盤が合ったのである。政府の補助金は郵便物托送を名として
客船会社に与えられた。 エンジンの技術的制約を究極の原因とするこうした経済的依....