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客観描写
「客観描写〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
客観描写の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
ては固《もと》より測《はか》りがたいのはもちろんでありますが、それまでに発展した
客観描写を利用してこれを評価の方面に使うのは争うべからざる運命と存じます。これを....
「今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
、その谷崎自身が、芸術家としての老いの自覚として、自分も年をとった故か昔のように
客観描写の小説などを書くのが近頃面倒くさくなったと云っていることを、日本文学と作....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
術と言うだろうか。この場合のモデルは自我であるにかかわらず、実には却《かえ》って
客観描写とされるのである。これに反して或る作品は、自己以外の第三者や、自然外界の....
「産屋物語」より 著者:与謝野晶子
遠慮している所から女の見た真の世相や真の女が出て参りません。これを誤解して女には
客観描写が出来ず、小説が書けぬもののように申す人があります。 しかし徳川時代か....
「現代小説展望」より 著者:豊島与志雄
ある。」かくて自我を――自分の思想感情を、一切の主観を――没却することが自然主義
客観描写の根本となる。そして自我を没却するこの態度を押し進めてゆく時、そこに芸術....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
げ目下に秋日かげ 久女 簾を捲きあげるにつれ朝顔のかげもまきこまれるという
客観描写は、炭火にかざす手の影が灰の上にあるのを写生し、まつげのかげがはっきりと....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
ルジョア生産関係の反映として、「在るがまゝに現実を描き出すこと」「科学的精神」「
客観描写」「現実曝露」等、ブルジョアジーがその生産方法の上に利用した科学の芸術的....
「郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
《しき》一派の解した如き浅薄な写生主義者ではないけれども、対象に対して常に即物的
客観描写の手法を取り、主観の想念やリリックやを、直接句の表面に出して咏嘆すること....