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客間
「客間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
客間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
を描《えが》き始めた。…………
鎌倉《かまくら》。
陳彩《ちんさい》の家の
客間にも、レエスの窓掛けを垂れた窓の内には、晩夏《おそなつ》の日の暮が近づいて来....
「河童」より 著者:芥川竜之介
人間の国の文明――少なくとも日本の文明などとあまり大差はありません。往来に面した
客間の隅《すみ》には小さいピアノが一台あり、それからまた壁には額縁《がくぶち》へ....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
離れで電話をかけて、皺《しわ》くちゃになったフロックの袖《そで》を気にしながら、玄関へ来ると、誰《だれ》もいない。
客間をのぞいたら、奥さんが誰だか黒の紋付《もんつき》を着た人と話していた。が、そ....
「或る女」より 著者:有島武郎
を守っていたが、見る見る周囲に人を集めて華々《はなばな》しく活動をし始めた。その
客間は若い信者や、慈善家や、芸術家たちのサロンとなって、そこからリバイバルや、慈....
「星座」より 著者:有島武郎
。けれどもおぬいさんは産婆を職業としているその母と二人だけで暮しているのだから。
客間をも居間をも兼ねた八畳は楕円形《だえんけい》の感じを見る人に与えた。女の用心....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
「やあ、笑った、笑った」赤ン坊の珍らしい素六が、横から囃し立てた。 今夜は、
客間をつかって、大きなお膳を中央に並べ、お内儀のお妻と姉娘のみどりが腕をふるった....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
来た。妾はお手伝いさんのキヨに、一応その女流探偵の身形その他を訊きただした上で、
客間に招じて逢ってみた。 春子女史は、薄もので拵えた真黒の被布に、下にはやはり....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
た。倫敦タイムズ社が売った数千部のブリタニカやセンチュリー大辞典はツンドク先生の
客間や質屋の庫に埋もれて了ったと、賢しら顔して云う人もあるが、
客間の粧飾となって....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
と、テッド博士は礼儀ただしく副隊長以下の接伴員たちを紹介した。そして、こちらへと
客間にみちびいた。 帆村はスコール艇長を迎えたときに、大きいおどろきにぶつかっ....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
痛む。あたりを見廻す。いやに真四角な部屋だ。正六面体の部屋だ。中の調度は、小さな
客間といった感じで、出入口のついている壁を除く他の三方の壁には長椅子が押しつけて....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
仕だ。 「では、ここに――」 と、梨花は紅茶器の盆を卓子の上におくと、そのまま
客間を出ていった。 「じ、実に怪しからん。この飛行島がインチキとは」 リット少....
「初雪」より 著者:秋田滋
燃やしても、湿り切った大きな部屋は、ねっから暖くならなかった。彼女は一日じゅう、
客間にいても、食堂にいても、居間にいても、どこにいても寒さに悩まされた。骨の髄ま....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
と書かれた紹介の言葉を読み終るや、 「さア、どうぞ……」と丁寧に、若き男爵閣下を
客間に招じ、正座に据えたのであった。 男爵は粗末な袷・羽織を着流し、風呂敷包み....
「妖怪談」より 著者:井上円了
人の在不在を問いました。幸い在宅でありまして、主人は早速出迎えました。彼について
客間へ通りました。もちろん金満家でございますから、家内万事整頓しておりまして、そ....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
……」 ホールは首をふった。ヘンフリイは、 「おれもおどろいたぜ。おかみさんが
客間の時計をなおしてくれっていうんで、いっしょに
客間にはいったらさ、顔じゅうほう....