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「宮仕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

宮仕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
なく見ゆるものを……。のう、入道。あれをわが屋形に迎い取って教え育て、ゆくゆくは宮仕えをもさしょうと思うが、どうであろうな」 信西は眼をとじて黙っていた。彼の....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
油煎《あぶらい》りも遠くこれには及ぶまいと思われるほどの蒸しかたでしたが、しかし宮仕えするものの悲しさには、暑い寒いのぜいたくをいっていられなかったものでしたか....
深夜の市長」より 著者:海野十三
の段をとらにゃいかんですか」と訊ねた。主任はそれに只一言で答えた。「莫迦!」――宮仕えはまことに辛いものである。 「ところで君の今日の見習仕事だが……」と主任は....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
なるをマ司令部によりて断行されたるは笑止なれども、そこが敗戦国の虚脱ぶりならん。宮仕えがいやにて昭和十三年|逓信省を去りし私として本令の施行は何等興味なし。 ◯....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
がった、広袖の白衣を纏い、そして下に緋の袴を穿いて居るところは、何う見ても御所に宮仕えして居る方のように窺われました。 意外なのは、この時初めてお目に懸ったば....
「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
うな事を云ったのであろう。此の北の方と云うのは故藤の刑部卿教賢の御女で上西門院に宮仕えして小宰相殿と申して居た。それをまだこの頃中宮の亮であった越前の三位通盛が....
蛇性の婬 」より 著者:田中貢太郎
昨日の雨のやどりの御恵に、信ある御方にこそとおもう物から、今より後の齢をもて、御宮仕し奉らばや」と云った。豊雄は元より願うところであるが、「親兄弟に仕うる身の、....
青春論」より 著者:坂口安吾
空に老婆の恐ろしい声がして、いざ、私の昔を語りましょう、と言い、自分は、昔、都に宮仕えをして楽しい青春を送ったもので、昨日の和歌は自分の作、新古今だか何かに載っ....
俊寛」より 著者:倉田百三
の感情をこめて)あゝ、有王よ。 有王 ご主人様。気をおたしかに! 有王は最後まで宮仕えいたしますぞ。海をくぐり、山によじても食物をあさり求めあなたを養い守ります....
戯作者」より 著者:国枝史郎
句を壁に認めると、飄然と主家を立ち去ってしまった。十四歳の時である。 「もうもう宮仕えは真平だ」 馬琴は固く決心したが、しかしそれでは食って行けない。止むを得....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
、代々の帝の御位に即かせ給うは、天の日を嗣ぐということにて、天津日嗣といい、また宮仕えし給う人を、雲の上人といい、都を天といい、四方の国、東国よりも、西国よりも....
平家蟹」より 著者:岡本綺堂
する。おおそうじゃ。浪の底にも都はある。わらわも役目を果たしたれば、これからはお宮仕え。さあ、お供いたしまする。 (眼にもみえぬ人に物いう如く、玉虫はひとり語り....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
もないので、唯おめおめと戻りました。」 重きが上の小夜衣――むかしは殿上人にも宮仕えしたという侍従が、これほどの歌の心を覚りかねたのであろうか。あるいはとうに....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
る所、お前さんは仮装だけの事は 披露してくれなさるが、殻を割って実を見せるのは、宮仕をする先触の為事ではないと見えますね。 それにはもっと鋭い目がいる。 だが、....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
適した性格の持主であったためもあろうけれど、単に自発的な笑いであるよりは、多分に宮仕えのつとめとしての笑いでもあったようだ。『枕草紙』はそうした任務にあったため....