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「宮川〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

宮川の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
閉めましょうね。秋口だから、川風がひえるわ」 窓の外は加茂の川原で、その向うに宮川町の青楼の灯がまだ眠っていなかった。 「――このお部屋、宮川町からまる見えね....
競馬」より 著者:織田作之助
《りちぎもの》で、病毒に感染することを惧《おそ》れたのと遊興費が惜《お》しくて、宮川町へも祇園《ぎおん》へも行ったことがないというくらいだから、まして教師の分際....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
、粟田口で磔《はりつけ》にかからねばならぬ恐ろしい命がけの恋じゃ。 源次 昨日も宮川町を通っていると、われらの前を、香具売《こうぐうり》らしい商人が二人、声高に....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
やだ!」自分も驚くほど大きな声で答えた。赤井の行くところは大体分っていた。たぶん宮川町の遊廓だろう。いやだと答えたのは本能的なものだった。先刻の席で胸苦しくなっ....
世相」より 著者:織田作之助
ていたときに尼崎の不良青年と関係が出来て、それが今まで続いているし、その後京都の宮川町でダンス芸者をしていた頃は、北野の博奕打の親分を旦那に持ったことがあり、ま....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を一巡して再び往来へ出ると、老人はどこかで午飯《ひるめし》を食おうと云い出した。宮川《みやがわ》の鰻もきょうは混雑しているであろうから、冬木《ふゆき》の蕎麦にし....
食魔」より 著者:岡本かの子
に却って恬淡になれた。 檜垣の主人は、鼈四郎を連れて、鴨川の夕涼みのゆかから、宮川町辺の赤黒い行灯のかげに至るまで、上品や下品の遊びに連れて歩るいた。そこでも....
山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
、釣りに行く奴、焚木を背負いに行く奴もある。焼岳や、霞沢、穂高、あるいは田代潮、宮川の池へ行く時は、握飯をつくって、とびだしてしまう。平常は十時ごろになると、誰....
脳の中の麗人」より 著者:海野十三
奇異の患者 「ねえ、博士。宮川さんは、いよいよ明日、退院させるのでございますか」 「そうだ、明日退院だ。そ....
神経」より 著者:織田作之助
紫蘇入りの飴には想出がある。京都の高等学校へはいった年のある秋の夜、私ははじめて宮川町の廓で一夜を明かした。十二時過ぎから行くと三円五十銭で泊れると聴いたので、....
中毒」より 著者:織田作之助
って、煙草ばかし吸った。私の喫煙量は急に増えて行った。 そして、私は放蕩した。宮川町。悔恨と焦躁の響きのような鴨川のせせらぎの音を聴きながら、未知の妓の来るの....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
に陥められて危なく川底へ沈められようとし、左母二郎に宝刀を摩替えられようとした神宮川というは古名であるか、それとも別に依拠のある仮作名であるか、一体ドコを指すの....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
が四名増して一行五名。 十四日嘉与吉が来た、彼は脚気で足が痛むというので、途中宮川の小屋に立ち寄り、親父に代ってもらう事に話して来たゆえ、明朝父の居を尋ねて行....
残された日」より 著者:小川未明
と壇の上に立ってこっちを見まわしました。みんなの胸の中はどきどきしたのです。 「宮川さん、出て、宿題の一|番めをお書きなさい。」 と、先生は大きな声でいいました....
俗臭」より 著者:織田作之助
れて抵抗しなかった。いつものことだった。好奇心に富んでいたからである。青年達は、宮川町などの遊廓で遊ぶ金がかなり節約出来た筈だ。それどころか、それよりも得るとこ....