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宮川町
「宮川町〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
宮川町の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
閉めましょうね。秋口だから、川風がひえるわ」 窓の外は加茂の川原で、その向うに
宮川町の青楼の灯がまだ眠っていなかった。 「――このお部屋、
宮川町からまる見えね....
「競馬」より 著者:織田作之助
《りちぎもの》で、病毒に感染することを惧《おそ》れたのと遊興費が惜《お》しくて、
宮川町へも祇園《ぎおん》へも行ったことがないというくらいだから、まして教師の分際....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
、粟田口で磔《はりつけ》にかからねばならぬ恐ろしい命がけの恋じゃ。 源次 昨日も
宮川町を通っていると、われらの前を、香具売《こうぐうり》らしい商人が二人、声高に....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
やだ!」自分も驚くほど大きな声で答えた。赤井の行くところは大体分っていた。たぶん
宮川町の遊廓だろう。いやだと答えたのは本能的なものだった。先刻の席で胸苦しくなっ....
「世相」より 著者:織田作之助
ていたときに尼崎の不良青年と関係が出来て、それが今まで続いているし、その後京都の
宮川町でダンス芸者をしていた頃は、北野の博奕打の親分を旦那に持ったことがあり、ま....
「食魔」より 著者:岡本かの子
に却って恬淡になれた。 檜垣の主人は、鼈四郎を連れて、鴨川の夕涼みのゆかから、
宮川町辺の赤黒い行灯のかげに至るまで、上品や下品の遊びに連れて歩るいた。そこでも....
「甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
十枚かの小判が、まだ身に付いているらしく、様子が長閑そうであった。島原の太夫から
宮川町の女郎、それから、隠密稼ぎまでしたという、本能そのもののようなこの女は、も....
「神経」より 著者:織田作之助
紫蘇入りの飴には想出がある。京都の高等学校へはいった年のある秋の夜、私ははじめて
宮川町の廓で一夜を明かした。十二時過ぎから行くと三円五十銭で泊れると聴いたので、....
「中毒」より 著者:織田作之助
って、煙草ばかし吸った。私の喫煙量は急に増えて行った。 そして、私は放蕩した。
宮川町。悔恨と焦躁の響きのような鴨川のせせらぎの音を聴きながら、未知の妓の来るの....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
これは、いかい御雑作じゃのう」と、会釈をした。 お梶は、もう四十に近かったが、
宮川町の歌妓として、若い頃に嬌名を謳われた面影が、そっくりと白い細面の顔に、あり....
「祭の夜」より 著者:平林初之輔
べるつもりで、杉原署へ行ってみますと、昨夜夜中過ぎに、ぐでんぐでんに酔払った男を
宮川町からひっぱってきて同署の留置室で保護しといたそうです。何しろ、島田家にあの....
「俗臭」より 著者:織田作之助
れて抵抗しなかった。いつものことだった。好奇心に富んでいたからである。青年達は、
宮川町などの遊廓で遊ぶ金がかなり節約出来た筈だ。それどころか、それよりも得るとこ....