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害う
「害う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
害うの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「正義と微笑」より 著者:太宰治
偽善者のごとく、悲しき面容をすな。彼らは断食することを人に顕さんとて、その顔色を
害うなり。誠に汝らに告ぐ、彼らは既にその報を得たり。なんじは断食するとき、頭に油....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
以て蛟を囲み伐つ由あるは周の頃土地開けず文武周公の御手もと近く※《がく》が人畜を
害う事しきりだったので、漢代すでにかかる定例の※狩りはなくなった故|鄭《てい》氏....
「我に叛く」より 著者:宮本百合子
せて、一刻も早く独りになりたい気持が、激しくゆき子をせき立てた。彼女は、母の気を
害うのを虞《おそ》れながらも、 「何か御用だったの?」 と反問した。 「用じゃあ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
よる。〈故にいわく、鶏三年ならず、犬六載ならず、白鶏白犬これを食うべからず、生を
害うなり〉とある。わが邦で猫を飼う初めに何年と時を定めて飼うと、期限来れば去って....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
念に虐げられてその幸福を傷つけるならば、その人はみずからの気分によりてみずからを
害うものである。気分というものは人生において大なる権威をなすものだ。君は君の本性....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
有無分明に定まらず、此処言文一致家に頼みたし。 下 若木三寸で螻蟻に
害う 世の中に病ちょう者なかりせば男心のやさしかるまじ。髭先のはねあがりたる当....
「私の貞操観」より 著者:与謝野晶子
とを乱せば一身の破滅ばかりでなく、延いては一家の協同生活を危くし、社会の幸福をも
害う結果が予想せられる。 学者は種の保存の上からも女子の貞操は太切であるという....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
義であるのだが、権藤氏によると、そういう官治主義こそは日本の成俗をなす自治主義を
害うことこの上もない当のものなのだ。今日の日本の行きづまりは、直接には何よりも明....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
であるが、「母に障らば」という方が直截でいい。 この「障らば」をば、母の機嫌を
害うならばと解する説がある。これは「障」の用例に本づく説であるが、「障りあらめや....
「大いなるもの」より 著者:宮本百合子
ではないか。 私の云う霊を失った哀れなる亡霊の多くは、箇人主義を称えて、自らを
害うて顧見ない。 自己の上に輝ける真を得るためには、真を裏切らぬ事をなさねばな....
「程よい人」より 著者:豊島与志雄
した拍子に、他へ洩れないとは限らない。然し、期限を厳守しておりさえすれば、信用を
害うことはない。その上、暫く期間を置いて、同一人から再度の借金も出来るのである。....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
ところの中へしまいこまれる。そして悪しき交りがそれの善き光沢を一日か二日のうちに
害う★のである。諸君の証券は台所と流し場とを改造した俄か造りの貴重品室の中へ入っ....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
の三以上死んだものである。過去の芸術は生には何んの役にも立たない。却って往々生を
害う恐れすらある。健全な生の必須条件は、生の新しくなるに従って、絶えず新しくなる....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
仕事が活々してくることかと思います。必要以上に手をかけることは、かえって美しさを
害う所以なのを省るべきだと思います。 北陸一帯は獅子舞が盛であるため、獅子頭や....