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「害意〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

害意の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
「エヽ何と」叔父「イヤ、己は昨夜松谷嬢の元へ給使が手紙を持って来た時、既にお浦が害意を以て嬢を呼び出すのでは有るまいかと疑ったが、其の方が直ぐに後から附いて行っ....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
様も元は、武家出だそうだな? 剣術は、何処で習った?」 と、平馬は最早、全く、害意のない調子で訊ねかける。 「御冗談でしょう――」 と、闇太郎は気軽にいって....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
に驚いた。一揆討伐に誠意の無いことは一揆方に意を通わせて居て、そして味方に対して害意を有《も》っているので無くて何で有ろう。それが大軍であり、地理案内者である。....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
の転化とを〔基本条件〕とする日本の資本制の特殊性に基いて、中農・小商人・其他の利害意識と連絡をつけることによって、一種のファシズム・イデオロギーとなるのである。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
らば斬るものをさして突立っているのですから、無気味ということの以上を通り越して、害意もしくは殺意をさしはさんだ悪人と見るのが至当なのです。しかるにその前を、一応....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
いる中に、件の梅の精は、しばらく私達の方を珍らしそうに眺めて居ましたが、こちらに害意がないと知って安心したものか、やがてスーッと、丁度蜻蛉のように、空を横切って....
処女の木とアブ・サルガ」より 著者:野上豊一郎
、王ヘロデには復命しないで、道を変えて東方へ去った。天使がヨセフに現れ、ヘロデの害意を告げ、赤ん坊をつれて速かにエジプトへ行けと勧めた。王ヘロデは博士たちに裏切....
空家の冒険」より 著者:ドイルアーサー・コナン
めたのだ。その者の名前はパーカーと云い、咽喉を締めて追剥するのが稼業、別に大して害意のある男でもなく、口琴の名手だ。僕はもちろんこんな男は意にも介しないが、しか....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
。男に貢ぐ金に支《つけ》えて、お美野さんへ毎度の無心と来る。拒《は》ねつけられて害意を起すのは、ま、あの女ならありそうなこった。」 「するてえと、」勘弁勘次は、....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
口でなにをいおうと、どんな顔いろをしようと、かつてエガアトンに返事を書いたときの害意と敵愾心を、その心緒から棄てきれはしなかった。いまのいままでの不穏な、割りき....
三国志」より 著者:吉川英治
いった。 「蹇碩は、すでに誅罰した。彼は我を害さんとしたから斬ったのである。我に害意なき者には、我また害意なし。安心して鎮まれ!」 すると、それを聞いて、 「....
三国志」より 著者:吉川英治
ゆえ、やむなく承知の返簡は認めたが、なんで立ちどころに将軍との旧交を捨てて故なき害意をさし挟もうや。願わくは、ご賢慮あれ。――将軍とこの劉備とが戦って、相互の兵....
三国志」より 著者:吉川英治
て、 「それがしはもと襄陽の生れ、廖化と称し、字は元倹という者です。決して将軍に害意をふくむ者ではありませんから、ご安心ください」 「して、何のために、卒をひき....
」より 著者:吉川英治
しまうと、与右衛門は、主水を斬る気を失ってしまった。主水はまた、与右衛門に対して害意を抱いている気色など少しもない。むしろ懐かしげに現在の藩の困窮だの、武士道と....
山の人生」より 著者:柳田国男
い、人数ならば十人十五人が一度に大笑いをする声が、不意に閑寂の林の中から聴える。害意はなくとも人の胆を寒くする力は、かえって前二者よりも強かった。その他にやや遠....