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「宵寝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

宵寝の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
げた。手近へ飛びかかって来る敵を扇で打ち払った。 犬の声があまりに激しいので、宵寝の都人《みやこびと》も夢をおどろかされたらしい。路ばたの小さい商人店《あきう....
文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
》ましいのかも知れません。――なるほど昼寝は致します。昼寝ばかりではない、朝寝も宵寝《よいね》も致します。しかし寝ながらにして、えらい理想でも実現する方法を考え....
縮図」より 著者:徳田秋声
堀の家へ帰ると、昨夜もらった手付かずの三十円をそっくり母親に渡した。 父も母も宵寝の早起きだったのて、台所ではもう焚きたての飯の匂いがしており、七輪にかかった....
連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
ることである。 「灰汁桶《あくおけ》のしずくやみけりきりぎりす」「あぶらかすりて宵寝《よいね》する秋」という一連がある。これに関する評釈はおそらく今までに言い尽....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
う、金棒の音に夜更けの景色。霜枯時の事ながら、月は格子にあるものを、桑名の妓達は宵寝と見える、寂しい新地へ差掛った。 輻の下に流るる道は、細き水銀の川のごとく....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ということまで、枕を上げた瞬間にちゃあーんとわかる。 朝寝して、昼寝するまで、宵寝して、時々起きて、居睡りをする という歌を思い出して、彼は苦笑を禁じ得ない....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
《おんたけ》おろしが、いかにこの剃下げの顱頂部《ろちょうぶ》にしみ込んで、幾夜、宵寝の夢を寒からしめたことか。 よって、木曾の産物の獣の皮の一片を買込んで、う....
随筆 寄席風俗」より 著者:正岡容
の稽古場へ遊びに行こうか富士市へ行こうかと思いましたが、結局どっちへも行かないで宵寝をしてしまいました。この晩浅草へ足が向いていたらあなたにお目にかかれたのでし....
私本太平記」より 著者:吉川英治
の狂いの苦計に出て、深夜の逆襲せを謀っているにちがいない。奴らの酒もりがすんで、宵寝に入ったと見えたらそれが機だ。ぬかるな」 と、大挙の姿勢をくずすなく刻々と....
黒田如水」より 著者:吉川英治
たといわるるか。それは重なるが、この筑前は、実はまだ半分しか食事いたしておらぬ。宵寝の一睡から醒め、飯を食うておる折へ、ちょうど御辺がお訪ねというので、食べかけ....