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家の芸
「家の芸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
家の芸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
軍服に剣を下げた希臘人《ギリシアじん》である。
或資本家の論理
「芸術
家の芸術を売るのも、わたしの蟹《かに》の鑵詰《かんづ》めを売るのも、格別変りのあ....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
者があった。両親《ふたおや》に死に別れてから自堕落《じだらく》に身を持ち崩して、
家の芸では世間に立っていられないようになった。妹のお光《みつ》と二人で下谷《した....
「食魔」より 著者:岡本かの子
のだが、鼈四郎は味見をしてみるのに血生臭いことはなかった。巴里の有名な鴨料理店の
家の芸の一つでまず凝った贅沢料理に属するものだと病友はいった。鰻の寄せものは伊太....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
先程説明を聴いた所謂ネオ・コンクレチスムの理論とは、また別なものを感じられる芸術
家の芸術家的矛盾にかの女は興味を覚えながら、この部屋に入って来た時から、ちらちら....
「縮図」より 著者:徳田秋声
いまわすことにも、特得の才能が発見され、同業にも顔が利くようになった。やがて松の
家の芸者が立てつづけに土地での玉数のトップを切り、派手好きの松島は、菰冠りを見番....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
妻に罷成る、老人三十二歳の時。――あれは一昨年果てました。老の身の杖柱、やがては
家の芸のただ一|人の話|対手、舞台で分別に及ばぬ時は、師の記念とも存じ、心腹を語....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
「円朝は偉い、四銭の木戸を取る。」と云われていた。 さてその芸談であるが、落語
家の芸を語るのは、俳優の芸を語るよりも更にむずかしい。俳優の技芸は刹那に消えるも....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
めた。 詩の仇を石でうつとは不届き千万な。シュルリアリズムは拙者若年のみぎりお
家の芸、はチト大きいが、アンドレ・ブルトン、フィリップ・スウポオ、ルイ・アラゴン....
「織田信長」より 著者:坂口安吾
信頼も信義もなかった。利用すれば、よかったのである。 利用は、又、信長自身のお
家の芸でもあった。然し、まことの悪党というものには、ともかく信義がある。信長は悪....
「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
科学者の芸術論が専門の芸術評論家の眼から見て如何に平凡幼稚なものであっても、芸術
家の芸術論と多少でも異なるところがあらば、それは少なくも或る芸術家のために何らか....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
とも」 といったまま三津五郎はじっと考え込んだ。と、不意に団十郎はいった。 「
家の芸だが『暫』はどうかな?」 「なに『暫』? さあどうでしょう」 「もちろん『....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
したし、それを源之助がほぼうつしているのである。 今の菊五郎も近頃になって、その
家の芸たる女形をして、あの肥った身体でよく一つの面を拓いている。踊りの場合は、断....
「宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
これは永久に、このままの姿で行くものではないかと思う。 元来、役者(歌舞伎)は
家の芸というか、家業を継ぐものだ。素人がいくら器用でも、結局第一流の役者にはなれ....
「小坂部伝説」より 著者:岡本綺堂
姫路の小坂部といえば誰も知っている。芝居の方でも小坂部といえば、尾上家に取っては
家の芸として知られている。それほど有名でありながら、伝説の方でも芝居の方でもそれ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
福帳を演じたるがしばらくの始めにて同十三年第二回を演じ候ひきそれより代々相伝して
家の芸となづけ既に百年前までは毎年顔見世にこれを演じて吉例といたし候ひぬ其疎豪に....