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「家中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

家中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
ドを弾《ひ》きはじめました。クラバックはトックの言葉によれば、この国の生んだ音楽家中、前後に比類のない天才だそうです。僕はクラバックの音楽はもちろん、そのまた余....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
発端 肥後《ひご》の細川家《ほそかわけ》の家中《かちゅう》に、田岡甚太夫《たおかじんだゆう》と云う侍《さむらい》がいた。こ....
煙管」より 著者:芥川竜之介
。 「煙管は宗俊の坊主にとらせたぞよ。」 五 これを聞いた家中《かちゅう》の者は、斉広《なりひろ》の宏量《こうりょう》なのに驚いた。しかし....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
、今行く。」 父が二階を下りて行った後《のち》、慎太郎は大きな眼を明いたまま、家中《いえじゅう》の物音にでも聞き入るように、じっと体を硬《こわ》ばらせていた。....
路上」より 著者:芥川竜之介
しやりながら、また肥った指の先を着物の襟へちょいとやって、 「あすこじゃこの頃、家中《うちじゅう》がトルストイにかぶれているもんだから、こいつにも御大層なピエル....
少年」より 著者:芥川竜之介
せた。けれども父を笑わせたのはとにかく大手柄《おおてがら》には違いない。かつまた家中《かちゅう》を陽気にしたのもそれ自身甚だ愉快である。保吉はたちまち父と一しょ....
忠義」より 著者:芥川竜之介
る。日頃好んでする書見にさえ、身がはいらない。廊下《ろうか》を通る人の足音とか、家中《かちゅう》の者の話声とかが聞えただけで、すぐ注意が擾《みだ》されてしまう。....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
だ。不幸なものたちよ。 暁方《あけがた》の三時からゆるい陣痛が起り出して不安が家中に拡《ひろ》がったのは今から思うと七年前の事だ。それは吹雪《ふぶき》も吹雪、....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
けて、提灯《ちょうちん》をふっと消す、と蝋燭《ろうそく》の匂《におい》が立って、家中《うちじゅう》仏壇の薫《かおり》がした。 「呀《や》! 世話場《せわば》だね....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ものを言う大切なお嬢さんを、とお蔦はただそれだけでさえ引退る。処へ、幾条も幾条も家中の縁の糸は両親で元緊をして、颯さらりと鵜縄に捌いて、娘たちに浮世の波を潜らせ....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
と、自然にお耳へ入りましょう! それは今、私がこの邸を退きますと、もう隅々まで家中が明くなる。明さんも思い直して、またここを出て旅行立ちをなさいます。 早や....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
ゃ死のうという短刀で怪我でもして、病院へ入ったのかい。」 「いいえ、それはもう、家中で要害が厳重よ。寝る時分には、切れものという切れものは、そっくり一つ所へ蔵っ....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
った白面の狐が、古蓑を裲襠で、尻尾の褄を取って顕れそう。 時しも颯と夜嵐して、家中穴だらけの障子の紙が、はらはらと鳴る、霰の音。 勢辟易せざるを得ずで、客人....
母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
人はおかあさんが病気だから手術を受けるのだといいました。 と不意に女の叫び声が家中にひびきました。 マルコはびっくりして「おかあさんが死んだ。」と叫びました....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
演説集を本にして出したが、その自序の中で「演説の数と地方遊説の多いことは現代政治家中第一」とあえて広言した。私は全国をブチ歩き、ラジオにもよく出るので私のガラガ....