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家人
「家人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
家人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
そろえたまま、じりじり前後から、つめよせて来た。
「はやるまいぞ。わしはこの殿の
家人《けにん》じゃ。」
猪熊《いのくま》の爺《おじ》は、苦しまぎれにあわただし....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
。見れば食器を入れた棚など手近にある。長火鉢に鉄瓶が掛かってある。台所の隣り間で
家人の平常飲み食いする所なのだ。是《これ》は又余りに失敬なと腹の中に熱いうねりが....
「猫と色の嗜好」より 著者:石田孫太郎
第三回の調査にも矢張り赤い紐に飛び着き、如何にも嬉しそうにして居た、今度は我輩の
家人をして斯く為すこと三回ならしめたるに、矢張り同じく赤い紐に飛着き、次は青い方....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
となって土地を奪われ商工業を壟断せられ、総ての日本人は欧米人の被傭者、借地人、借
家人、小作人、下男、下女となって惴々焉憔々乎として哀みを乞うようになると予言した....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
が、ある朝彼はいよいよ仕事が出来上がったから、友達の批評家らを呼び集めるようにと
家人に言い付けた。彼は真っ紅な亜麻織りに黄金を輝かせた荘厳な衣服にあらためて、か....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
合であったのは、姫の父君が珍らしく国元へ帰って居られたことで、御自身采配を振って
家人を指図し、心限りの歓待をされた為めに、少しの手落もなかったそうでございます。....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
ものだった。その頃は幕府|瓦解の頃だったから、八万騎をもって誇っていた旗本や、御
家人が、一時に微禄して生活の資に困ったのが、道具なぞを持出して夜店商人になったり....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
れた銃声に夢を破られた。銃声の聞えたのは何某氏の部屋だった。ドアを開けてみると借
家人の某氏は、われと我が生命を断った拳銃を握ったまま全身あけに染って打倒れていた....
「多神教」より 著者:泉鏡花
この言葉のうち、神楽の面々、踊の手を休め、従って囃子静まる。一連皆|素朴なる山
家人、装束をつけず、面のみなり。――落葉散りしき、尾花むら生いたる中に、道化の面....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
ったな。」 「うむ、やはり二三日分らなかったな……」 だが、どうも「変だ!」と
家人が気づいて、積んである俵をかぞえて見ると、どうしても四俵不足している。「やら....
「感応」より 著者:岩村透
い、不思議とは思ったが、その夜はそれなりに、寝てしまったのである。翌朝になって、
家人一同が、昨夜の出来事を談して如何にも奇妙だといっていたが、多分|門違でもあっ....
「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
にして、彼が「今、わが機にしかじかの怪事ありたり」と告げしによりて、はじめてその
家人に知られしものなれば、これをかの女子の所為とせば、毫も怪しむべき点なきなり。....
「迷信解」より 著者:井上円了
ときに、巫の足の親指より、長き糸をもって幣束の柄に結びつけたることを見出だせり。
家人、たちどころに大いにののしりてこれを追いしに、巫も大いに驚きて逃げ去れり」と....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
って、日本とは反対に勝った方が酒を飲む。しかし夜半ともなれば、南京町の灯も消え、
家人もようやく寝静まる。そんなころを見はからって私はそっと起き出してかめの中のし....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
がある。」 僕「『割下水』もやっぱり変ってしまいましたよ。」 母「あすこには悪御
家人が沢山いてね。」 僕「僕の覚えている時分でも何かそんな気のする所でしたね。」....