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家元
「家元〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
家元の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老年」より 著者:芥川竜之介
内《しんない》の流しに出た事もあると云う男なんで。もとはあれでも師匠と同じ宇治の
家元へ、稽古に行ったもんでさあ。」
「駒形《こまがた》の、何とか云う一中の師匠―....
「或る女」より 著者:有島武郎
われ出た。船の中での礼を述べて、とうとう葉子と同じ船で帰って来てしまったために、
家元《いえもと》では相変わらずの薄志弱行と人|毎《ごと》に思われるのが彼を深く責....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
光はその門人であった。また絵画における狩野家のように、花道の記録に有名な池の坊の
家元|専能もこの人の門人であった。十六世紀の後半において、利休によって茶道が完成....
「食魔」より 著者:岡本かの子
返さすものである。 幸に、夫妻は招待に応じて来た。 席は加茂川の堤下の知れる
家元の茶室を借り受けたものであった。彼は呼び寄せてある指導下の助手の料理人や、給....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
素人にして置くのは勿体ないなどと云う者もある。当人もいよ/\乗気になって、浜町の
家元から清元|喜路太夫という名前まで貰うことになってしまいました。勿論それで飯を....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
かな。(どうだ、喜多八。)と行きたいが、其許は年上で、ちとそりが合わぬ。だがね、
家元の弥次郎兵衛どの事も、伊勢路では、これ、同伴の喜多八にはぐれて、一人旅のとぼ....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
た。 ここに老人が呟いた、大沼勘六、その名を聞け、彼は名取の狂言師、鷺流当代の
家元である。 七 「料理が、まずくて、雁もどきがうまい、……と云う....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
所の姉さんに、ひけを取るまい。……その頃北に一人、向うへ廻わして、ちと目に余る、
家元随一と云う名取りがあったもんですから、生命がけに気を入れて、舞ったのは道成寺....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
て盃をかわし、大分いけて、ほろりと酔うと、誘えば唄いもし、促せば、立って踊った。
家元がどうの、流儀がどうの、合方の調子が、あのの、ものの、と七面倒に気取りはしな....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
縋り立蔽いて回生剤を呑ませ呼び活けたる、技芸の鍛錬積りたれば、これをかの江戸なる
家元の達人と較べて何か劣るべき。 あわれ手品師と約成りて、一座と別れんとしたり....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
武士の血統は気色ばんで一足出た。 「お聞きなさい――橘さん……いやしくも東京から
家元同格の貴下がおいでだと云うで、今夕、申合打合せのために出向いた、地謡、囃子方....
「花模様女剣戟」より 著者:小野佐世男
び、全国で女剣戟団は二百組も都会から都会へ東京近郊だけでも十五、六組あるという。
家元格の不二洋子は本年三十九歳、フレッシュなお若いところでは筑波澄子劇団の座頭は....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
髪結の家の娘が常磐津を習っていることであった。親も商売人に仕立てるつもりで、後に
家元の名取りになった位であるから、その稽古は頗るきびしい。殆んど朝から晩まで浚い....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
にして、歌道を伝授するということは古くからあったけれども、これは、今でいえば歌の
家元の格式を承け継ぐようなものである。ところが常縁・宗祇の間におこった古今伝授は....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
方がないわねえ、ああまゆみちゃんが羨しい、あれだけ才のある人は見たことがないって
家元さん口癖のように云ってらっしゃるわ」 「お世辞さ」 「羨しいより憎らしいわ。....