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家名
「家名〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
家名の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
早く姉をさがし出して、なんとかその処分をしなければ、父の身分にも関《かか》わる、
家名にも関わる。たとい母には恨まれても、姉を見逃がすようなことは出来ない。もし幸....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
えた。 或いは屋敷内や親類じゅうの議論が二つに分かれているのではないか。一方は
家名を傷つけるのを憚《はばか》って、何事も秘密に葬るがよいと云い、一方は飽くまで....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を立てられた女を迂濶《うかつ》に引き入れるということは世間の手前もある。ひいては
家名にも疵がつく。嫁はあの女に限ったことではない。そういう多数の議論に圧し伏せら....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
もんですか。 島山の方は、それで離縁になるとして、そうしたら、貴下、第一河野の
家名はどうなると思うのよ。末代まで、汚点がついて、系図が汚れるじゃありませんか。....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
の技倆としては見事過ぎるほどの橋を奔走して自町のために造り、その橋によってせめて
家名を郷党に刻もうとしたのも、この悔を薄める手段に外ならなかった。 逸作は肉親....
「橋」より 著者:池谷信三郎
い人たちが贅沢の事を考えるのと同じように空想で、必然性がないことなのよ。それに、
家名だとか、エチケットだとか、そういう無意義な重荷を打ち壊す、強い意志を育ててく....
「死者の書」より 著者:折口信夫
は、中臣と二つの筋に岐れました。中臣の氏人で、藤原の里に栄えられたのが、藤原と、
家名の申され初めでおざりました。 藤原のお流れ。今ゆく先も、公家摂※の家柄。中臣....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
だから、そりゃお前さんを扱うこたあ、よく知っているんだろう。」 「ああ、ただもう
家名を傷けないようにって、耳|懊く言って聞かせるのよ。堅い奴だが、おいら嫌いじゃ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
も小供が生れないので、婿の実家の方ではそろそろあせり出しました。『この分で行けば
家名は断絶する……。』――そう言って騒ぐのでした。が、三|年ではまだ判らないとい....
「水の女」より 著者:折口信夫
はひろがったと見るのが、今のところ、正しいであろう。だが、三瀦の地で始めて、この
家名ができたと見ることはできない。 それよりも早く神の名のみぬまなど、時代によ....
「雪霊続記」より 著者:泉鏡花
と樹ながら山を揺りました。 店屋さえもう戸が閉る。……旅籠屋も門を閉しました。
家名も何も構わず、いまそこも閉めようとする一軒の旅籠屋へ駈込みましたのですから、....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
そうに元老が吹聴した。娘の婿に極った時である。 かくて、八郎は橘の家を継いで、
家名を恥かしめはしないのである。 人は呼んで、宗家同格と渠を称える。 「分らな....
「青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
害したのですから、生きている気持ちはありませんでした。しかし、なまなか自殺をして
家名を汚すような事があっては申訳ない、彼は考えぬいた揚句、一つの名案を、――少な....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
でしょう。それはともかくもこういう少年が成長したところで碌な者になるはずはない、
家名を汚し親の名を耻しめ社会に害毒を流して他人に迷惑をかける。また彼自身の将来も....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
見され、それ以来は絶えず監視付きの境遇に居られたそうです。 『私達の階級の者は、
家名を汚すという事を極度に怖れています。何よりも第一に名誉ですからね。人間よりも....