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家常
「家常〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
家常の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「身投げ救助業」より 著者:菊池寛
たえているように思われた。しかし多くの自殺者を見ていたお陰には、自殺をすることが
家常茶飯《かじょうさはん》のように思われて、大した恐怖をも感じなかった。老婆はふ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
単に習性という形でのみ私達に残される。 チェスタートンが、「いかなる革命家でも
家常|茶飯事については、少しも革命家らしくなく、尋常人と異らない尋常なことをして....
「魚玄機」より 著者:森鴎外
道書を授けると、玄機は喜んでこれを読んだ。この女のためには経を講じ史を読むのは、
家常の茶飯であるから、道家の言が却ってその新を趁い奇を求める心を悦ばしめたのであ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
』に猴大根を食わしめてよし、またカヤの実を食すれば甚だ験《げん》あり、猴舞わしの
家常に用ゆ、甚だ蟹の殻|并《なら》びに手の螫《はさみ》を嫌うなりとあるなど経験に....
「歴史の落穂」より 著者:宮本百合子
故にたけたといわれる年頃では、そういう階級の狭い生活が多くの女の心に偏見と形式と
家常茶飯への没頭、良人の世間並な立身出世に対する関心をだけを一杯にしていたであろ....
「鏡心灯語 抄」より 著者:与謝野晶子
最後の物に属している。私はそれが厭わしい。私はロダン先生の議論――先生においては
家常の談話――が常に簡素化され結晶化された無韻詩の体であるのを、私の性癖から敬慕....
「激動の中を行く」より 著者:与謝野晶子
人類に臨まざるを得ない有様である限り、それが果して勝利を得て、大多数の人類の間に
家常茶飯として普及することを疑わないにしても、それまでには多少の期間を要すること....
「家常茶飯 附・現代思想」より 著者:森鴎外
家常茶飯 ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外....
「幼年時代」より 著者:堀辰雄
《あ》いてしまって、またもとの、いつまで繰り返していても倦きることのないような、
家常茶飯《かじょうさはん》的な遊びに立ち返っていくことを好むものだ。 「何かもっ....
「初孫」より 著者:国木田独歩
きの女ワッペウと明治生まれの旧弊人との育児的衝突と来ては実に珍無類の滑稽にて、一
家常に笑声多く、笑う門には福来たるの諺で行けば、おいおいと百千万両何のその、岩崎....
「ヒューメーンということに就て」より 著者:豊島与志雄
等しい人生記録という奴がその一つである。行きあたりばったり盲目的に取って来られた
家常茶飯事という奴がその一つである。其他種々。即ちヒューメーンというのは、一の塵....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
あまり遅くもって来た女中にあてつけた。
そして、生粋《きっすい》のドイツ人らが
家常茶飯事にまで示す生来の厳格さをもって、彼女は厳《いか》めしく言い添えた。
「....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
実は我ら千代田城へ、火を掛けようと存じましてな。それで会合をして居るのでござる」
家常茶飯事でも話すように、こう浪士はスラスラと云った。そうしてじっと眼を据えて、....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
近代的悲痛が現れなければならないはずであったが、案に相違して極めて平板な不徹底な
家常茶飯的葛藤しか描かれていなかったのは畢竟作者の根本の芸術的興味が去ってしまっ....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
何十年来シベリヤの空を睨んで悶々鬱勃した磊塊を小説に托して洩らそうとはしないで、
家常茶飯的の平凡な人情の紛糾に人生の一臠を探して描き出そうとしている。二葉亭の作....