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家庭人
「家庭人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
家庭人の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「如是我聞」より 著者:太宰治
賀直哉などのことを書き、かなりの鬱陶しさを感じている。何故だろうか。彼は所謂よい
家庭人であり、程よい財産もあるようだし、傍に良妻あり、子供は丈夫で父を尊敬してい....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
の必要もなかったわけだが、長い下宿生活の慣習も染みこんでいたので、そこらの善良な
家庭人のような工合には行かなかった。育って来た環境も環境だったが、彼には何か無節....
「男女交際より家庭生活へ」より 著者:宮本百合子
。けれども、このR氏夫妻のみならず、真個におのおのの業務に対する明確な責任感と、
家庭人としての良心が円満な調和を保っている処では、何処にもこれに似た秩序の正しさ....
「ヤトラカン・サミ博士の椅子」より 著者:牧逸馬
つの階梯《かいてい》がある。道者たらんとするものは、まず学生を振り出しに、つぎに
家庭人として生活し、それから隠士《レクルウス》に転化し、第四に、そして最後に、森....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
、その道のベテランであったりしながら、殆ど職業化した中性人の風をもたない。いつも
家庭人であって、そのままスッと、どこへでも気楽にはいりこめるようである。私が彼女....
「田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
、東京では、もうすっかり急進欧化の反動期にはいっているときに、奥羽の隅《すみ》の
家庭人は、かえって、そのころになって動いていた。 「あたしも、なるたけ、出してあ....
「双面獣」より 著者:牧逸馬
た。良人を敬愛する妻、父を慕う幼児が、後を追って出る。再び、此の善き隣人、美しい
家庭人が、何うしてあのドロシイをああも悪魔的に凌辱虐殺したと信じられよう――。 ....
「三国志」より 著者:吉川英治
わう。妻もまじり、子たちも集まってくる。玄徳もいつかその中に溶け入って、他愛ない
家庭人となりきっていた。 ここに、淮南の袁術は、みずから皇帝と称して、居殿後宮....
「美食と人生」より 著者:北大路魯山人
が、食道楽と断ずるのは早計である。 ぜいたくだの、もったいないなど、昔の京都の
家庭人のようなのは、一旦病を得ては、名医といえども投薬のしようがなさそうである。....
「押入れ随筆」より 著者:吉川英治
ないではいられなかった。 また、山本富士子氏が出た一例なども、近頃、ミスを送る
家庭人の気もちを、ずいぶん積極的に奮わせているのではあるまいか。以前は、父兄たち....