家政婦[語句情報] »
家政婦
「家政婦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
家政婦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
かけても、復一から実のある返事が得られそうな期待は薄くなった。彼女は兄夫婦の家の
家政婦の役を引受けて、相当に切廻していた。彼女と復一との噂は湖畔に事実以上に拡っ....
「河明り」より 著者:岡本かの子
奉公をして、陰ながら子供の様子を見守っていたのだった。 堺屋では、男の児の母を
家政婦みたように使うことになった。母は忠実によく勤めた。が、子供のことに係ると、....
「ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
、気丈なおかみさんと見えて押入れを開けると、長持ちの中で人が唸っているようなので
家政婦と二人で恐々開けると、現在のご亭主が後手に縛られて猿ぐつわをはめられていた....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
。家族たちはまだ疎開《そかい》先に釘《くぎ》づけのままだった。東京のこの家には、
家政婦の老婆が一人仕えているだけだった。 酒田はその鞄を持って帰ると、押入を開....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
籠っているようであった。 それに対して警部は、同じ屋根の下に寝泊しているのは、
家政婦の小林トメという中年の婦人と、被害者の弟の旗田亀之介の二人だけで、その外に....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
室から鉋や鋸を借りてきて、手製の額を壁にかけたりした。 「ベラン夫人。貴女は名誉
家政婦に就任されたようなものですね」 と、僕は、壁に釘をうつ美しい夫人の繊手を....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
、周圃が江戸にいた頃から、周圃を愛していた女なので、周圃が木曽へはいってからは、
家政婦として入り込んで来て、周圃の研究を助けながら、周圃と夫婦になろうとしたので....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
えばこの老主人とまだ独身でいる二人の息子との三人で、これに中年の差配人とその妻の
家政婦、並びに一二名の女中を加えたものがこの宏い屋敷の中で暮しているということだ....
「光は影を」より 著者:岸田国士
め、女流作家|鷲尾某と協同で喫茶店をやりたいという希望に頭から反対し、住み込みの
家政婦にでもなれといつて、当分、月々四千円の生活費を補助する約束さえしたのである....
「鬼」より 著者:織田作之助
小切手など、細君がちゃんと払出を受けていたのだが、細君が死んで、六十八歳の文盲の
家政婦と二人で暮すようになると、もう為替や小切手などいつまでも放ったらかしである....
「明暗」より 著者:岡本かの子
武蔵野の大地主であった三木雄の父の遺した田舎の邸宅へ三木雄を訪れ、其処に後見やら
家政婦やらを兼ねていた中老の叔母からもよくもてなされ、その叔母さんの淡泊な性質は....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
やってこられる道のりである。博士は食事をやめて、窓ぎわに寄って外を見た。それから
家政婦にいいつけて、家じゅうの窓や戸のカギを調べさせた。どこにも手落ちはなく、透....
「お母さんは僕達の太陽」より 著者:小川未明
ならぬのであります。世には、我が子が、病気の時にも、自から看護をせず、看護婦や、
家政婦の如き、人手を頼んでこれに委して、平気でいるものがないではない。その方が手....
「恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
遠くの方でベルが鳴ったと思っていると、忽ち寝室のドアがはげしく叩かれ、 「先生、先生お客様ですよ」 せっかちの
家政婦に起された。 枕時計を見ると朝の六時だ。私立探偵なんて職業を持っていると....
「ここが楢山」より 著者:小津安二郎
の開けたて、僕の蒲団の上げおろしまでやってくれたが、今年から、いささか、へばって
家政婦さんに来てもらっている。無理もない。八十四である。人間も使えば使えるものだ....