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家計
「家計〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
家計の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
《てんじょう》を睨《にら》んでいた。 まえまえから、蝶子はチラシを綴《と》じて
家計簿《かけいぼ》を作り、ほうれん草三銭、風呂銭《ふろせん》三銭、ちり紙四銭、な....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
子が生まれてからは、その家がだんだんに都合がよくなって、百姓仕事も繁栄にむかい、
家計もいよいよ豊かになったので、近所の者も不思議がっていた。 ある時、その家で....
「良人教育十四種」より 著者:岡本かの子
に尽し、親、親類に夫の折合い悪しき部分を補うべし。 妻の身の自分が内職でもして
家計を立てようとする努力とともに、失業状態にある夫の心は、とかくひがみ易くなって....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
同じ教子の内に頭角を抜いて、代稽古も勤まった力松という、すなわちお雪の兄で、傍ら
家計を支えながら学問をしていたが、適齢に合格して金沢の兵営に入ったのは去年の十月....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
などに、うき身をやつしているのだった。 だから、新子が今年の初めから母を助けて
家計を切り盛りし、月々|幾何幾何と、定めておいても圭子も美和子も、ムダな浪費をす....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
家人の御身で、天下の直参、まことに結構、何んの申し分がありましょう。……ははあご
家計はご不如意とか? なんのなんのそのようなこと、問題になることではございません....
「わが妻の記」より 著者:伊丹万作
は、今よりずつとずつと美しかつた」と。 主婦として まず経済。
家計のことはいつさい任してあるが決してじようずなほうではない。といつてむだ費いも....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
役を退いた志摩長門守の隠居所で、大身の旗本であったから二万石三万石の大名などより
家計はかえって豊かと見えなかなか立派な寮であった。 寮の座敷では年始の酒宴が、....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
利用価値もないように思えるその草ッ原を見れば見るほど、考えれば考えるほど、ことに
家計の方の苦しみが増大するにつれて、こんどは借金そのものが馬鹿くさいものに思われ....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
るに頗る朦朧の状態にあった。 ちょうどこの時分、父の訃に接して田舎に帰ったが、
家計が困難で米塩の料は尽きる。ためにしばしば自殺の意を生じて、果ては家に近き百間....
「妖怪談」より 著者:井上円了
が、全くこれは狂気であります。すでに十数年間、仕事もできず遊び暮らすので、すでに
家計に苦しむようになりました。「しかし、十年来のことでもあれば、ただちに快復する....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
が二人となった上に細君(先妻)の妹を二人までも引取り、両親にも仕送っていたから、
家計は常に不足がちであった。その上に二葉亭は、ドチラかというと浪費家であって、衣....
「城」より 著者:カフカフランツ
。ハンスは暮しの心配がなくてすみますし、すばらしい奥さんをもち、人には尊敬され、
家計は借金なしときています。でも、ほんとうは万事うまくいったわけではありません。....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
若狭の無悪の部落では、もとは娘らに盛装せしめ、一般人の目を惹く事であったが、今は
家計困難の為にこの事がなくなったとの報告にも接した。かかる類は昔はことに多かった....
「魔性の女」より 著者:大倉燁子
、何気なしに、妻の机の上を見ると、いつもきちんと片づけてあるのに、今日に限って、
家計簿も出しっぱなしになっている、日記帳の上には万年筆もころがっている。 「ほう....