家財[語句情報] »
家財
「家財〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
家財の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
は累《るい》を及ぼさん事を恐れ、これを主人に託しおく。金も当分は送れぬ。困ったら
家財道具を売れ。そのうちにはなんとかする。読後火中」
とだけしたためて葉子へ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
児島は最近敵機動部隊の来襲を受けたばかりのところで、各家とも城山に横穴掘り、また
家財を焼かないための地窖掘りに忙しい。しかし町はどこも焼けたところを見なかった。....
「金属人間」より 著者:海野十三
苦しいときであったうえに、雨谷君の実家は大水《おおみず》のために家屋《かおく》を
家財《かざい》ごと流され、ほとんど、無一物《むいちぶつ》にひとしいあわれな状態に....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
、連の男も、身体つきから様子、言語、肩の瘠せた処、色沢の悪いのなど、第一、屋財、
家財、身上ありたけを詰込んだ、と自ら称える古革鞄の、象を胴切りにしたような格外の....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
川向う」の流行の繁華区域は、皮膚にさえもうるさく感じるようになって、僅かばかりの
家財を自動車で自分で運び、グルネルの橋を渡り、妾町と言われているパッシイ区のモツ....
「母への追慕」より 著者:上村松園
縮図や絵の参考品も失ってしまった時には、さすがの私も呆然としてしまった。 母は
家財や着物の焼けたのは少しも惜しがらず、私の絵に関した品々の焼失をいたく惜しんで....
「兜」より 著者:岡本綺堂
一 わたしはこれから邦原君の話を紹介したい。邦原君は東京の山の手に住んでいて、大正十二年の震災に居宅と
家財全部を焼かれたのであるが、家に伝わっていた古い兜が不思議に唯ひとつ助かった。....
「有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
の者がいる。それをたずねて何とか身の処置を頼めとあったので、お筆はちっとばかりの
家財を路用の金にかえて、こころ細くも身ひとつで東京へ出て来て、まず小石川へたずね....
「火薬庫」より 著者:岡本綺堂
た。 「やあ、わざわざ御苦労。なに、こんな小さな家だから、なんにも片付けるほどの
家財もない。」 大尉は笑いながら二人を茶の間に通した。全体が五間ばかりで、家じ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
につづけて一週間ずつ世話になっては、近所をめぐり歩いたのだが、そういうときに彼は
家財をまとめて、木綿のハンカチに包んで行ったものだ。 こういうことが彼の後援者....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
はないが、まア当然……それはあえて怪しまないが、村の巡査と共にやって来た役人が、
家財道具など物色したが、結局、二百円なにがしに相当するものは、厩にもそもそと藁を....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
したのだった。実際、はたから見たらぽかんとしていたかも知れなかったのである。 「
家財道具みんな売り払ったばかりでなく、畑作まで処分して出かけたッち話だね。」 「....
「座右第一品」より 著者:上村松園
のつけようがないと思ったことがありました。火の手があまり急に強くなりましたので、
家財道具を取り出すという余裕もありませず、イザ身一つで避難しようとします時、何ぞ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
の持家に住っていた。シカモ余り広くはなかったが、木口を選んだシッカリした普請で、
家財道具も小奇麗に整然と行届いていた。親子三人ぎりの家族で、誰が目にも窮している....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
業員たちで、軍から払下げられた一九式|梱包用の原紙を使い衣装ばこを作って売出し、
家財道具を失った人々に好評を博したものである。 私は昭和二十八年には業界視察の....