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家路
「家路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
家路の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「特許多腕人間方式」より 著者:海野十三
く、大金が入ったので、余は、もう何にも考える気持になれなくなった。事務所を閉めて
家路へ急ぐ。 2 ×月×日 晴。 午前十時、田村町事務所へ出勤。....
「俊寛」より 著者:菊池寛
を引きずりながら、自分の小屋への道を辿る。一町ばかり歩いて、後を振返った。少女も
家路に向おうとして立ち上っている。が、歩き出さないで、俊寛の方を、じっと見詰めて....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
だけに出くわしても、君の家にとっては、足腰の立たない打撃となるのだ。疲れた五体を
家路に運びながら、そしてばかに建物の大きな割合に、それにふさわない暗い灯でそこと....
「寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
の汽車で町についた僕は今夜がクリスマス・イーヴなのに気づいて、春夫の土産を買って
家路を急いだ。 君は、僕がどんなに平凡な男で、妻を、子供を、家庭を愛していたか....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
ながら、やっぱりかの女は駆けて往来へ出て見る。友達と簡単な挨拶を交して、とっとと
家路へ急ぐ、むす子の後姿が向うに見えた。かの女はあわてて呼び返した。 むす子は....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
ても、よせつけなかった。 道子夫人は、房枝の情のこもった草履の片っ方を抱いて、
家路についたが、家にもどると、そのまま電話のところへいって、廻転盤をまわした。 ....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
めであったけれど、彼はそれをふり切るようにして、懐中電灯片手に、お千の待っている
家路に急いだのであった。 帰りついたのは、かれこれ十一時であったろうか――。 ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
俄雨を憂慮ぬではなかった処。 彼方の新粉屋が、ものの遠いように霞むにつけても、
家路|遥かな思いがある。 また、余所は知らず、目の前のざっと劇場ほどなその空屋....
「死者の書」より 著者:折口信夫
海の渚まで、日を送って行く女衆が多かった。そうして、夜に入ってくたくたになって、
家路を戻る。此|為来りを何時となく、女たちの咄すのを聞いて、姫が、女の行として、....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
々はなんという馬鹿ばかり揃っているのであろうと軽蔑するが、さて少しばかり話をして
家路につくと、すぐに聖都の人たちはかれらを見付けてこう言うのである。 「見ろよ。....
「巴里の秋」より 著者:岡本かの子
噴水が霧のように淡い水量を吐き出している傍を子守達は子を乗せた乳母車を押しながら
家路に帰って行く。....
「白光」より 著者:井上紅梅
て、ただうず高き破片のみが余っていた。彼は藻抜けの殻をぐるりと廻して知らず知らず
家路に著いた。 彼はようやく自分の家の門口に著いた。七人の生徒は一斉に口を開け....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
や夜もふけて、まさに幽霊が出そうなころだった。イカバッドは心重く、しょんぼりと、
家路をたどり、タリー・タウンの上にそびえる高い丘の斜面を進んで行った。その日の午....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
まずこのような状態で一五八七年の五月、六月はすぎていった。青年は昂奮して夜明けの
家路を辿り、女王は微笑む闇のなか……二つの意識は、一歩一歩緊張の度を加えながら接....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
の花みて春をしのばん 吹く風よ東の国にかよひなば、己が音信を家に伝へよ 天さかる
家路やいつらながむれど、雲より外に見る影もなし 四月九日(日曜)、曇り。午前、....